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2010年ベスト・ソング⑥

Love You Long Time
from the album "The Beginning"
/ The Black Eyed Peas

black Eyed Peas-Beginning
It only takes a minute, girl...
 レコードというのは本当に不思議なもので、たまに自分の家でも聴いたりするのだけど、なんであの黒い溝を針でなぞるだけで音が出るのかさっぱりわからない。レーザー光線を使うCDの方は、どこかそういう反則技的なところがあるから超能力みたいなもんで、仕組みはわからなくても納得はできるんだ。溝と針だけの方がよっぽど高度な技術なんじゃないかと思えてくる。それに、例えば最新技術が惜しみなく使われたレコード・プレーヤーがあるとして、スピーカーとかも超高性能のやつで、すっごい綺麗な音を出すことができたとしても、果たしてそれは本当にそのレコードの「オリジナル」な音なのか、みたいな疑問もある。タイムレスなものでないが故に、技術で計れる時間間隔に対してとても敏感な代物なのだ。そしてだからこそ、その溝に針を落とすだけで、時間を止めることのできる魔法の箱でもある。つまりは、そこ以外の世界のすべてが目まぐるしいスピードで時間を刻んでいる、ということだ。広がり続けるその時間的なギャップ。過去はどこまで未来を圧倒することができるのか。未来はどこまで過去に歩み寄ることができるのか。ソロ作品を含めた近年のウィル・アイ・アムの音楽的挑戦の矛先は、そこにあるのではないかと思う。初めて聴いたときから、この歌に夢中だった。大好きなKCアンド・ザ・サンシャイン・バンドの“ギヴ・イット・アップ”が借用されているから。ただそれだけの理由だったかもしれない。いや、やっぱり違う。もっと、ずっと前から好きだった。この歌を実際に聴いたときよりもずっと以前から、この歌のことが大好きだった。だって、「イット・オンリー・テイクス・ア・ミニット、ガール」の続きは絶対に、「トゥ・フォール・イン・ラヴ」。初めて出会ったときの、そのたった一分にも満たない一瞬で確信できる。初めて出会えた「いま」という未来に、ずっと出会いたかった過去が同時に再生される。未来がようやく過去に追いつくその瞬間。それは、まだ始まっていなかった過去のビギニング。僕の専門じゃないもんで、溝と針の手品のネタを暴くにはまだまだ時間がかかりそう。でもよく見てみたら、人間の肌にもいっぱい溝が刻まれてるよね。もしもダンスに誘うつもりで僕の手に触れてくれたのなら、そうだね、“セプテンバー”くらいなら頑張って歌うよ。
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