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ジャケットがジャケットだし、宇宙の話とかしてみました

Surfing The Void
/ Klaxsons

Klaxons-Surfing the void
最短の永遠
 宇宙の光(サンライトやスターライトのことではない。それは太陽の光、星の光だ)さえ届かない、宇宙の外側(裏側?)。そこにはいったい何があるのか。もしも、その空間に行くことができたとしたら、僕はいったい何を思うだろう。僕は、君の名前を呼ぶよ。どこに行っても頭に浮かぶ。宇宙がまるで無限のように放つ光、その圧倒的な暗闇さえも届かないところに、君の光が届く。奇跡的なスピードで広がる空間を超えて、宇宙の光は還元する。君が僕を呼ぶ声が、聞こえてきそうだ。その瞬きよりも短いような刹那が愛しい。現れたと認識したときにはすでに失われている、その声。たった一瞬で、あらゆる空間を跨ぎ、僕のとらわれた時間を壊す。永遠と呼ばれるものが、一瞬ですらないと感じる瞬間――シャイニング。それは、空と地上とをたちまち繋ぐ雷のような、魔法の言葉だ。
 このバンドのデビュー・アルバムを聴いたのはいつのことだっただろうと思う。三年前? 三年半くらい前になるか? とにかく、随分前のことだ。当時は彼らに続けとばかりに「ニュー・レイヴ」を冠したバンドが出てきていい作品を発表していたが、いまでも聴くことがあるのは、クラクソンズの『近未来の神話』の一枚だけだ。あのシーンで実際に何かを発明したバンドは、彼らだけだったと思う。というかそもそも、後に続くことそのものが不可能な音楽だったのだと、このセカンドを聴いて思う。クラクソンズが自ら提唱したニュー・レイヴ。それは初めから、刹那的であることを目指した音楽だった(使い捨て、という意味では絶対にない)。それはすなわち、伝達されたときにはすでに鳴り終っている音楽だったのだ。クラクソンズはシーンに登場するやいなやたった一枚のアルバムで伝説を作り上げ、しかし、その後の沈黙は余りにも長かった。この三年半の間、シーンに残っていたのは彼らの眩しすぎた残像だけ。そしていよいよこのセカンド。前作と同じことを目指している。そこがとても真摯だ。刹那という時空の歪みに、どこまで近づくことができるか。瞬間ごとに高速で置き去りにされていく音の数々。せめて傷痕だけでも残そうという意思が音そのものに宿っているんじゃないかと思えるほどエッジが利いている。速すぎるが故に、永遠という停止した時間、失われた時間に限りなく近づくもの、それが刹那だ。感知したときにはすでに失われている音楽。ちなみにこのアルバムは、“エコーズ”、すなわち、「残響」という楽曲から始まる。そういうことだ。

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01:20 | 音楽 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑
Heart Rockerじゃないんですよ | top | 僕がYUKIを聴く理由、知ってる?

コメント

# いつも拝見させていただいています。
丁寧な説明。音楽が全くわからない私でも引きこまれます。いつも楽しみです。
by: カシス | 2010/10/16 01:00 | URL [編集] | page top↑
# カシスさんへ
はじめまして、うれしいコメントありがとうございます。

たまにアイドルも登場するロック中心のお茶目なブログとして、可愛がってやってっください!
よろしくお願いします。
by: 幸大 | 2010/10/18 07:10 | URL [編集] | page top↑

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