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バカにしたら許さないんだから

青春コレクション
/ モーニング娘。

モーニング娘。-青春コレクション
モーニング娘。とわたし
 わざわざここで言うことでもないが、AKB48がすごい。先月発表された新曲“ポニーテールとシュシュ”が初動だけで50万枚以上を売り上げ余裕の一位を獲得、CDショップを覗いてみれば必ずと言っていいほど特設ブースが設置され、いまも売れ続けている。女性グループによる初動での50万枚越えはモーニング娘。の“恋愛レボリューション21”以来約十年ぶりの快挙とのことだが、その数字にどれくらい所謂「AKB商法」と呼ばれる賛否両論のセールス法(総選挙の投票用紙や握手券の同封)が影響しているのかはわからないが、個人的な感情は抜きにして、CDが売れないこの時代に50万枚という実績は賞賛に値するものだと思う。AKB48の強みはその距離の近さだ。AKB48劇場では毎日のように研究生による公演が開かれ、ファンは総選挙への投票という形で直接的にメンバーを応援することができる。アイドルはもはや遠くから眺める「あの子」ではない。決して出会えない存在ではないのだ。あらゆるアイディアやツールはやはり人と人とを繋ぐためにこそ生み出される。
 一方で、メディアへの目立った露出もなく、いつの間にか敗戦処理のように呼ばれてしまっている観が否めない現在のモーニング娘。がいる。今週発売されたばかりの彼女たちの新曲がこの“青春コレクション”。穏やかな風の中にナチュラルな緑色を含んだような爽やかなナンバーで、友情や家族といったキーワードも登場する非常にアイドルらしい真っ当な青春ソングなのだが、実はモーニング娘。がシングル楽曲でこういったテーマを扱うのは、かなり久しぶりのことだったりする。08年の“リゾナントブルー”以降に発表された彼女たちのシングルは、“泣いちゃうかも”“しょうがない 夢追い人”“なんちゃって恋愛”など一般レベルではあまり知られていないが実は隠れた名曲揃いで、そこで歌われてきたことはむしろ本物の恋愛や青春を過ごし損ねてきた女の子の物語だった。そしてそのヴィジョンにまったくブレがなかったからこそ、ここ最近のモーニング娘。は、かつての大人数でワイワイガヤガヤの合唱ではなく、孤独を自虐的に歌う「モーニング娘。」というひとりの女の子としての人格を形成させつつあった。モーニング娘。とは、ある意味でかつての一大ブームという巨大なトラウマを抱えたグループである。絶頂の終焉後から、現在のモーニング娘。は始まっているのだ。昔のような国民的な人気はもうない。テレビで目にすることだって道重さゆみ以外にはほとんどない。それでも九人(久住小春が卒業してからは八人。三年間、これ以外のメンバー・チェンジはまったく行われていない)の女の子が集まって懸命にひとつの孤独を歌い踊る姿は、アイドルと呼んで甘やかすにはもったいないくらい凄みがあって、かっこよかった。そこには、もう一度誰かと出会うことができるんじゃないかという切実な希望が確かにあった。歌とは、そういうものである。情報も戦略も凌駕して聴き手にとっての「わたし」に近づける歌がある。“青春コレクション”。小学校の先生なんかは喜びそうな歌だが、いまのモーニング娘。にそんな好感がいったいどれほど必要だろうかとつんく♂に問いたい。

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