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いい朝

Conditions
/ The Temper Trap

the temper-trap conditions
君に額縁はいらない
 オーストラリアはメルボルン出身の四人組が昨年リリースしたデビュー・アルバム。軽く聴いてみての印象としては、とにかく絵を描こうとしたキャンパスがでかい。でもそれは、オーストラリア出身のバンドによく見られる大陸的なスケール感とは少し違っている。雄大な景色のど真ん中に立って歌うのではなく、自分がいま立っているまさにこの場所が、こんなにも広がりを持った地層であるということを改めて思い知らされるような、慧眼にも似た思いだ。深海から燃え上がるような、落ち着き払いながらも熱い演奏。ときに性別の区別すらわからなくなりそうになるダギーの神秘的なボーカル。一作目にも関わらず誤解されることをまったく恐れていない抽象的なアートワークの中で、ジャケットを飾ったこの少女の目だけが物語を語る。決して饒舌にならずとも、立ち上がる思いがある。語られるべき思いとは、いつだってそれそのものが特別な光を放つものである。一度聴いただけでテンパー・トラップの音楽の全体像を把握することは難しいかもしれない。それは決して大きな物差しを使ったところで計り知ることのできる絵ではないからだ。静かに、ゆっくりと身を馴染ませていけばわかる。喪失と救済、戦いと癒し、個人と宇宙――テンパー・トラップはなめらかに世界を紐解いていく。それはひとつの状態(=condition)でしかない、と。時は何も語らない。沈黙した未来にサバイブし続ける姿勢は絶対に間違ってはいない。物語を語るのはいつだってあなたでしかないのだから、と。


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09:36 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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