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お恥ずかしいことながら、いまさらゾクゾクしています

LOVEマシーン
/ モーニング娘。

モーニング娘。-LOVEマシーン
テロリスト集団
 アイドルの台頭というものは、常にセンセーショナルであるべきだ。そこには例えば、共感などといった歌い手と聴き手のコミュニケーションみたいな構築的な要素が、ほとんどと言っていいほど皆無だからだ。世紀末の狂乱とかみたいな時代の流れうんぬんもどうでもいい。ただ過剰なまでに愛され過ぎてしまった、それだけのことだ。そしてそれだけだからこそ、そこに発生する爆発的な熱量はなおのこと異常さを増し、日常とか社会みたいな現実性からことごとくかけ離れた境地へと人々を巻き込んでいく。アイドルがひとつの時代を作るということは、すなわちそういうことである。アイドルをピラミッドの頂点に置いた新しい秩序と正義の構図がドデーン!と幅を利かせるぐらいまでいかなきゃいけないのだ。そんなもんほとんど破壊行為である。従来の美意識なんてぶち壊してそこに胡座かくぐらいのテンションと厚かましさがなきゃいけない。そして、この頃のモーニング娘。は、ある意味ではそれを意図的に仕組まれたアイドル・グループだった。毎年のように繰り返されるメンバーの加入と脱退。安倍なつみがほとんどの楽曲でメインを務めていたグループの組織図もここから大きく変わった。短く区切られたフレーズを年齢も個性もバラバラなメンバーたちが「わたしがわたしが」精神で代わる代わる前へ前へと飛び出して自己主張を繰り広げる。モーニング娘。自体が、すでにぶっ壊れていたのだ(いまのモーニング娘。がやっているのは破綻ではなく構築だ、みたいなことを以前書いたけど、07年に八期メンバーが加入してからのこの三年間でメンバーの新加入は一切行われていない。そういうことだ)。即戦力の後藤真希加入と同時に始まったモーニング娘。テロリスト化計画のすべての始まりとなったこの歌。バカみたいなカタカナ語とWowWowWowWowで埋め尽くされた軽薄極まりない歌詞に共感の割り込む余地はない。いま見たらそんな飛び抜けて魅力的とも思えないこの無愛想な表情で佇む八人の歌うこれがそれでも当時は真実だった(ホントにこのジャケットの順番で抜けていきましたね)。語り尽くされたLOVEにエッビバディバディバディバディ!で派手な飾りつけまくって見当違いな方角でもいいからとにかくがむしゃらに打ち上げる。この歌のレコーディング風景は本当に一回見てみたほうがいい。つんく♂が、この歌が本来持っていた収まりのいいメロディとか言葉をどんどん即興でぶち壊して、楽曲の輪郭をいびつに作り直していくんだ(「ダイナマイト」を「ザイナマイト」って歌わせたりとか)。王道の最果てが、必ずしも成功に続いているとは限らない。ぶっ壊れたモーニング娘。は千鳥足で外れた道を行き、そしてこれが後に本物の王道になった。

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