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8cmシングル規格!

サマーナイトタウン
/ モーニング娘。

モーニング娘。-サマーナイトタウン
「全盛期」はすでに始まっていた
 初のミリオンとなった“LOVEマシーン”以降、曲調は目に見えてきらびやかになり、数々の派生ユニットも生まれて次々と各メンバーの愛すべきキャラクターが発掘されたりなんかして、モーニング娘。の周辺は、なんだか歯並びの悪い女の子の口みたいに賑やかでチャーミングな装いを凝らし始める(もちろんいい意味でしかない)。でも結成当初、プロデューサーのつんく♂には彼女たちをアイドル・グループとして育てる心積もりは一切なかった。そもそも彼女たちが集ったオーディション自体、シャ乱Qプロデュースのロックボーカリストオーディションだったわけで、ブレイク期のイメージとはまったくかけ離れたものだった。実際、つんく♂も本格的な女性ボーカルグループにするつもりだったと語っている。それは当時の楽曲を聴いても即座に頷けるもので、特にセカンド・シングルのこの歌、“抱いてHOLD ON ME!”、そして“Memory 青春の光”のシングル三連発はいま聴いても山口百恵ばりの素晴らしいやさぐれ感がそこはかとなく漂っていて、とてもいい(福田明日香&安倍なつみの二枚看板とそれを実は背後で支えている矢口真里のコーラスはちょっと鳥肌が立つくらいすごい。あと個人的には中澤裕子のまさに「女房」な歌声が大好き)。二期メンバー三人の初参加曲でありめでたくオリコン初登場四位に食い込んだこの歌には、少なくともリスニングレベルでは、特にそれ以上の物語はない。歌われていることはありがちで陳腐(「南の島の空の鳥みたいにあなたに浮かんでみたい」などと歌わせてしまうところなんかは曲の古さを差っ引いたとしてもつんく♂のセンスを疑ってしまう)、ダンスも衣装もチープ、歌はうまいとは言えメンバーの佇まいも年少の福田明日香を除けばほとんど素人同然。でもこの時期の歌はどれも、例えば現在みたいなメンバー感の和気藹々としたほほ笑ましい雰囲気が皆無で、特にオリジナル・メンバーのいわゆる「落選組」的なプライドというか、三分半という限られた時間の中で前へ前へと自分をアピールしようとする貪欲な姿勢が歌にとても殺伐とした緊張感をもたらしていて、決して捨て鉢であったり深淵なものを持っている歌ではないにも関わらず、僕なんかは「セックスの怨念」みたいなものをついつい感じてしまって、無性にゾクゾクする。いまでこそアイドル・グループの種類も規模も大きくなってそれぞれがそれぞれにしかない個性を持っているとは思うが、未だにこの歌を歌えるグループを僕はこの時期のモーニング娘。以外に知らない。仮にも単なるアイドル・グループの売れたポップ・ソングという範疇に留まっていていい歌ではない。

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