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おっぱい星人

Scars
/ Basement Jaxx

Basement Jaxx-Scars
ラヴ、愛、おっぱい
 随分と昔の話をするけど、ダフト・パンクの01年作『ディスカバリー』のいったい何が「発見」だったかって、それは彼らの提示した「踊らなくていい場所」という新たなユートピアの存在だった。名曲“ワン・モア・タイム”中盤で訪れる異様に長いブレイクや、バラード“サムシング・アバウト・アス”は、まさしく喧騒のダンス・フロアのど真ん中で、「それでもあなたは踊らなくていい」という、「うまく踊れないことがあってもいい」という、途方もないほど巨大な肯定だった。多くのダンス・アクトが、音圧を高め、音に無敵の強度を持たせて、ひたすらに踊ることによっての祝祭を強要する中、余りにもソフトでヤワなダフト・パンクの、その、踊ることさえままならない不器用さを認める感傷的なダンス・ミュージックは、だからこそ次作で『ヒューマン・アフター・オール』という、「人間だもの」的な結末へと収束していったのだ。
 ベースメント・ジャックスのこの最新作のタイトルはその名も『スカーズ(=傷痕)』。で、リード・シングルが“レインドロップス”。ベースメント・ジャックスはこれまでファンキーでアゲアゲでチャラいイメージがあったけど、タイトルからしてもう今回は思いっきり感傷路線。でも、やっぱり彼らがダフト・パンクと違うのは、めっちゃセンチメンタルなのに、涙を流しているのに、それでも踊らせる気、踊る気しかない、というところだ。踊ってでもいないとやってられないっていう力技の開き直りとかでもなくて、涙を流しながらでさえ、卑しいほどに踊りたいのだ。オノ・ヨーコにライトスピード・チャンピオンにサンティゴールドまで巻き込むおびただしい数の「feat.」、何でもアリなジャケット、すべての音楽をぶち込んだ珠玉のナンバーの数々。あらゆる矛盾を呑み込んで、その真上と真下とど真ん中とそれ以外で踊りたい。全部欲しい。みんな超愛してる。ベースメント・ジャックスはそう言ってる。

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03:55 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
ジャケットが2001年~っぽい | top | 開け放たれた扉の前で立ち尽くす

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