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冷やし茶漬け

アデルのデビュー・アルバム『19』の中に
“メルト・マイ・ハート・トゥ・ストーン”っていう歌が入ってて、
彼女の歌声が代表曲の“チェイシング・ペイヴメンツ”を超える奇跡を放出するすごい歌。
本当に大好きで、山崎ナオコーラ読んだらずっとそれが流れてる感じだった。

カツラ美容室別室
/ 山崎ナオコーラ

カツラ美容室別室
冷めてるんじゃなくてほんの少し温かい
 山崎ナオコーラの作品を、短い、改行が多い、盛り上がりに欠ける、などなど、形式的なことを挙げて批判するのは簡単だ。デビュー作にして代表作の『人のセックスを笑うな』にしても、扇情的なタイトルや「ナオコーラ」という彼女の名前の与える大段不敵なイメージとは裏腹に、とても静かで淡白な物語だった。読み物として物足りない、と感じる人は、確かに少なくないかもしれない。物語とは、言うまでもなく、単なる文字の羅列ではない。そこには余白があり、破綻があり、とにかく言い尽くせないような色んな思いがある。人は、様々な思いで物語を書く。山崎ナオコーラの作品があくまでもひどく坦々としているのは、それが彼女にとっての物語だからだ。大事件無し、どんでん返し無し、ドロドロ無し。しかしだからこそ、人の心はいつだって本人ですら気付かないようなスピードでゆっくりと、でも確実に凍り付いて、立ち止まってしまう。決定的な致命傷を負わせられたなら、わかりやすい特効薬を使えばいい。でもそんなに単純じゃない時だってあるんだ。むしろ原因とか意識とかわかんない時の方が多い。だから、彼女の作品を読み終わった後の静かな清涼感は、少なくとも勝利的な解放とは程遠い。それはゆっくりと氷を溶かすわずかな温もり。別に力む必要なんてない。「文学」なんていう高圧的な呼び方がまず良くないよな。ほんの少しでいい。ほんの少し。設定温度を今よりも二度上げるだけでいい。山崎ナオコーラはそう言ってる。

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