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下手くそな世界にせめてもの愛を

食べ物がなくなったら困るけど、ロックがなくなっても困らない。
だって生まれた時にはもうジョン・レノンだっていなかったんだ。
僕たちは、世界を変えるような重大な責任を、ロックに対して許してはいない。

「君の歌だよ」。
このセリフは、ロックのことを心の底から信じ込んでいない限り、
絶対に吐けない。
ちゃんと騙されてないと言えない。


BECK
/ ハロルド作石

BECK-ハロルド
指先の幻想
 ロック好きなガキがマジでムカつくのは、生きてるなら自分にしかできないことがしたいとか言って、サラリーマンとか堅気とか安定とか心のどっかで見下してるところだ。そんなの、自分に何の関係もない遠くの方ばかり気にして身近で肝心な半径1メートル以内のことが見えてないバカの言うことだと思う。お前の親の子どもとしての役割ができるのは、お前だけだ。お前の恋人の大切な人としての役割ができるのは、お前だけだ。人間なんて、結局のところ、生きてる限り「自分にしかできないこと」しかできない。ロック好きのバカにはそういう単純なことに気付けないタチの悪い連中が多い。ロックの先には自分にしかできないすげーことがあるって心の底から思い込んでるから、ロックへの疑いがそもそも欠落してるから、なかなかブレーキが掛からないし、仕舞には世界変えるとか言って、自分が音楽のみを武器にとてつもなく大きな世界と対峙してるようなふざけた錯覚に陥る。そういう連中は、世界を前にして、ロックがどれだけ役立たずかってことを知らないんだ。ロックがこの世から消え去ることで世界が被る不利益の、その余りのショボさに気付いてないんだ。ロックが世界を変えたことなんて一度もない。なぜなら、ロックなんてただの幻想に過ぎないからだ。ロックには確かな根拠に裏打ちされた可能性なんてどこにも約束されていなくて、世界に飛び交う蚊の羽音程度のノイズでしかないからだ。それなのに、そんな欺瞞に満ち溢れたロックに魅せられるバカはなぜか一向にいなくならない。若者にしか聞こえない耳障りなモスキート音をわざと聞きに行く連中なんかがいるくらい、バカはノイズが好きだから? 違う。もはや当然のように世界を変えられないロックは、それでもお前が手を伸ばした半径1メートル以内までなら何かを起こせるかもしれないからだ。未熟な世界すらも救えないその歌が、お前の指先を繋ぐ大切な誰かとの間に何かを残すことができたなら、そこには、全世界を救うことと、いったいどれだけの差があるっていうんだ。世界を救わなかったロック・ソングなんて、いったいどこにあるっていうんだ。『BECK』が問うているのは、そういうことだと思う。

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