ジャケットが、すごく良い2009 / 08 / 12 ( Wed )
こんな歌だって知らなかった。
こんな歌は初めて聴いたよ。 Got 'til It's Gone / Janet Jackson ![]() 歌は愛だ。僕は歌を歌いたい 『コントロール』『リズムネイション』『ジャネット』『オール・フォー・ユー』『ディシプリン』と非常に傑作の多いジャネット・ジャクソンのディスコグラフィーを遡る時に、97年作の『ヴェルヴェット・ロープ』が俎上に載せられることはまず滅多にない。でも僕は個人的にものすごく大好きな一枚で、アイドル・ポップに始まりヘヴィ・ロックを通過してUKロックに収まったかと思いきやYUKIを神格化した挙句結局どこにも行き着かなかった僕の音楽遍歴(専ら聴く方だけど)の中で今でも特別な存在感を確かに持っているアルバムで、傑作アルバムを三枚挙げろと言われたら僕は『ヴェルヴェット』を選ぶかもしれない。本作はその『ヴェルヴェット』からのシングルで、同じく『ヴェルヴェット』収録曲の“トゥゲザー・アゲイン”や“アイ・ゲット・ロンリー”や“スペシャル”のような叙情性の高い楽曲と比較すれば幾分地味な印象の楽曲かもしれない。中学生の頃、僕がまだ熱心にピアノを弾いていた頃、『ヴェルヴェット』の楽曲を一生懸命練習した時期あった。でもこの曲はなんだかつまらなかった覚えがある。ピアノを真剣に弾いたことがある人なら誰もが味わったことがあるはずの、自分がピアノの音色と一体化するような絶頂感がない。聴けば一発で分かるけど、この曲の、特にサビの部分にはほとんど「メロディ」と呼べる音の落差がない。つまり、叙情的な高揚感がないんだ。でもこうやってあらためて耳を傾けて、穏やかなさざ波みたいなこの曲に身を任せていると、ジワジワと溢れ出てくるような静かな感動に気付かされる。これは何なんだろうって考えたら、やっぱり言葉なんだって思う。「どうして手にしたものは、どこかに消え去ってから見えるようになるの?」という余りにも普遍的なこの言葉に、決して客観的になることのできない、去っていった「あの人」に対する彼女のパーソナルな祈りが込められているからだと思う。メロディ無きこの曲に「歌」を宿しているのは、そんな彼女の愛なんだと思う。 スポンサーサイト
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