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愛と勇気とロマン

21st Century Breakdown
/ Green Day

Green Day-21st Century Breakdown
世界の果てで君と出会いたい
 僕は以前、グリーン・デイの『アメリカン・イディオット』について、「あなたの“ホームカミング”を問うアルバム」だと書いたことがある。いったい誰のために戦うのか、と。人には国家よりも優先して守らなきゃいけないものがあるだろう、と。今でもあのアルバムが伝えることはそういうことだと思っている。あれから実に五年。長いブランクを経てついに発表されたグリーン・デイの最新作は『21世紀のブレイクダウン』である。ここでいう「ブレイクダウン(=崩壊)」とはいったい何を意味するのか。壮大なオープニング・ナンバーの中で彼らは歌っている。「マイ・ジェネレーションはゼロ。ワーキング・クラス・ヒーローなんかになれやしない」。そう、これが僕たちの生きる21世紀の出発点である。僕たちはすでに知っているのだ。人生はいつだって儘ならない。夢は破れ、愛は引き裂かれる。戦いは勝者を生み出さない。僕たちはいつか必ず楽園を追われる。世界を救うヒーローなんてどこにもいやしない。すべてが崩れ落ちた後の瓦礫の山から始まった時代。今という21世紀における余りにも重大な崩壊とは、すなわち、「“ホームカミング”=帰るべき場所」の喪失である。幼い子どもでさえ世界には欺瞞が溢れていることを知っている。そもそも僕たちには守るべきものなどなかったのだ。振り返ってみても帰るべき場所なんてどこにもない。信仰を持たないのではなく、ただ信じられるものがないのだ。それでもグリーン・デイはまるで、魂を前へ前へ生きろ生きろと鼓舞するかのようなポップでキャッチーなサウンドを忘れなかった。これはもちろん現実を無視した無責任なオプティミズムなどではない。全米屈指の犯罪都市であるオークランドで今なお生活を送り、「郊外で生きる」ということを他でもない実感で理解している彼らは、僕たちの人生がどうしようもなく連続した物語であることを知っている。ジャケットが好きだ。燃え上がる世界を背後にキスを交わす二人。燃え上がる世界とは世界の終わりと同義である。世界が終わり、僕たちが本当の意味で崩壊するまさにその時に、君に「愛してる」と伝えられたら良いなと思っている。帰るべき場所、守るべきもの、信じられるもの。それが未来にあったって良いじゃないか。それが希望でなくていったい何なのか。

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