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スノウ・パトロール最新作

最初は、これはただの抽象なのでは?と思った。

でも、スノウ・パトロールの意識の高さはその抽象を、
抽象という具体にまで引き上げている。

え?何言ってんの?
別にこれで良いんだよ?
って。

A Hundred Million Suns
/ Snow Patrol

Snow Patrol-A Hiundred Million Suns
自由とはあなたの見上げる太陽である
 世界各国の子どもにクレヨンを渡して太陽の絵を描かせたら、日本人のように赤色を使うのは少数派だという。虹を見て、「七色だ」と言う国の人がいれば、「いや四色だ」と言う国の人がいる。まったく同じものを見ていても、それを認識するためのイメージや語彙や世界観は実に多種多様である。そのひとつひとつを僕たちは「主観」と呼ぶ。そして、そんな無数の主観を掻き集めた集合体としての視野を「客観」と呼ぶのなら、様々な色の折り紙で作られた様々な形の太陽が美しいこの写真をジャケットに供した本作でスノウ・パトロールが新たに獲得した視座とは、まさに「客観そのもの」なのかもしれない。隙間ない構築的なサウンド美学、魂を浄化するような良質なメロディ、決してエモーショナルな方向に狂うことのないリリック。更なる客観力によって一層ガッチリ強力に噛み合ったようにも思えるスノウ・パトロールのそんな「外さなさ」を退屈に感じる人もいるかもしれない。しかし、「ひとつの太陽は無数である」という明らかな矛盾さえも抱き込んだ本作の視野の広さにはそれでも深い感慨を覚えずにはいられない。王道とは決して無数の主観の最大公約数=妥協点を導き出す近道ではない。それと同じように、個性的という言葉は必ずしも少数派であることや何かをあえて犯す危うさを意味しない。要するに意識とそれに基づく選択の問題なのだ。だから、人と違っていることが美徳でありスペシャリティであると安易に受け取られがちなこのロックの世界にあってスノウ・パトロールの音楽はここまで愚直な王道なのに、ここには「これでいいんだ」と大きく頷いてみせる祝福と救済の圧倒的な重みがある。本作でスノウ・パトロールが歌う自由の本当の中身。多様な人生と世界中から注がれる無数の太陽の光がそれを肯定している。
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