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最強の10本

最強
と言いつつ9作分しかありませんが、
これに『ポニョ』が加わると完璧に完成の最強の10本です。
早くDVD出ないかなー。

映画っていうのは、こうあるべきなんだ。
映画っていうのは、これで良いんだ。
そんな10本。

絶対に損させません。
むしろ見ないと人生の一割くらい損しそうな作品たち。
要するに、10作全部見ない場合、人生の十割くらい損します。

Dear Wendy
Dear Wendy1
「負け犬」を突破せよ
 アメリカの小さな炭鉱町でほの暗い生活を送る五人の少年少女はある日、秘密結社を結成する。銃による平和主義を標榜とする彼らの名前は「ダンディーズ」。ちょこっと古めかしくもイカした銃をパートナーとして懐にしまい込んだ彼らはもう昔の陰鬱な彼らじゃない。廃鉱の中で銃について学び腕を磨いた彼らにはもう怖いものなんてひとつもない。好きな衣装に身を包み、街中だって堂々と練り歩いてみせる。ダンディーズには絶対に守るべきルールがある。それは、銃はあくまで「精神的支柱」であり、持ち歩くだけで決して誰かに向かって誇示するべきではない、というもの。アメリカの歴史を振り返っても明らかなように、銃はいつだって暴力と悲しみの不条理な連鎖を担保してきた。ダンディーズは違うのだ。言うまでもなく、ダンディーズがダンディーたる所以とは、銃を武器として誇示する無法さではなく、ただ静かに携えるその愛と祈りの力強さにこそあるからだ。ダンディーズは逞しくも紳士的でなければならない。もう、誰にも「負け犬」だなんて呼ばせない。彼らは強くなったのだ。
 本当に、そうだろうか。彼らが町を練り歩くのは、いつだって人通りの少なくなった日没後だった。「精神的支柱」と呼べば聞こえは良いが、彼らがパートナーを外の世界で晒さない本当の理由は、それが彼らの強さではなく、他でもない自分の弱さを受け入れられないガラスのようなナイーヴさの証左でしかなかったからだ。だから、だからこそ、それを太陽の下で目覚めさなければならない境地に追い込まれたその時、彼らは実は強くなどなっていない自分との対峙を強いられた。彼らの信じていた強さが完膚無きまで打ちのめされ、すべてが破綻してしまったことは、だからある意味で当然のことだったのかもしれない。他の誰かから向けられた眼差しなら、僕たちはそれに背を向けることができる。でも、羞恥や嫉妬や孤独といった自分の内側で生成される劣等感からは、僕たちはどう足掻いても逃れることができない。彼らがそれぞれのパートナーを愛したのは、結局のところそんな抱えたままの劣等感を忘れさせる一時的な誤魔化し行為に過ぎなかった。永遠に続く夢物語なんてどこにもない。
 それでも、この映画を観ると、信じていたものが打ち破れたその後にも決して終わらない何かがあることが、荒野の最果てで手にした小さな石ころのような自信と確信で、わかる。「信じる負け犬」が最後に立ち尽くす場所は、「信じない負け犬」のそれよりも、ほんの少しだけ希望の光に近い。
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