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ソーラ・バーチな夜

ソーラ・バーチ
好きな俳優は?と訊かれることはまずないけども、もし訊かれたとしたら
思い浮かぶのはユアン・マクレガーとソーラ・バーチだけ。
でもユアン・マクレガーはここ数年ジェントルな役柄が多くてつまんない。
彼の魅力は汚いトイレの中でこそ発揮されるということに、
ダニー・ボイル以外のすべての映画監督はいい加減気付くべき。
とは言ったものの、ユアンも歳とったからああいう役の方が今はいいのかもな。

バイトから帰ってきて、ソーラ・バーチ主演の映画を観た。
01年に公開された『穴』という作品。
低予算のB級サイコものって大好きです。
ネットで調べてみたら評価は微妙な映画のようですが、僕は推します。
何が良いって、やっぱりソーラ・バーチの目とか表情とかがすごい。

プライヴェートなときの写真で見たら本当に普通の女の子。
でも彼女が何かを演じる時は、
メイクや衣装だけでなく、演技すらも超越して、
もっと内側から、彼女は孤独になる。

The Hole
穴
ソーラ・バーチの勝利
 イギリスの名門パブリック・スクールに通う四人の生徒が地理の研究旅行をサボった数日間に体験した身も凍るような恐ろしい出来事。親も学校も騙して第二次世界大戦時の防空壕に隠れた彼らを襲った恐怖とは。ガイ・バートというイギリスの小説家の作品を基に制作され01年に公開されたサイコスリラー映画。彼らを呑み込んだ防空壕という深く暗い「穴」。研究旅行が終了する3日後に防空壕の鍵を開けに来るはずだった友人がなぜか現れず、彼らは閉ざされた暗闇の中で18日間もの時間を過ごすことになる。飢えと乾き、病気と狂気、極限の精神状態に追い込まれると人間はどうなってしまうのか。サイコスリラーとしてはベタな設定の作品だけど、先の読めないハラハラドキドキの展開につい目が離せなくなってしまった。
 アメリカ公開時にはタイトルが『After The Hole』に変更されている。そもそもガイ・バートによる原作タイトルが『After The Hole』なのだが、そう、これは元々「体験のその後」のストーリーなのだ。物語はたったひとり奇跡的に生き残った少女の生還から始まっている。穴の中でいったい何が起ったのかとすべての経緯を解き明かすために精神科医が少女へのインタビューを試みるというわけだ。そして、本作の描いている本当の恐怖は、決して穴の中で闇と臭気を吸いながら成長した狂気についてだけでなく、そこから脱出した外の世界における狂気にも触れている、というところだ。太陽の光も差し込まない完全に外部と遮断された孤独な「穴」。それは、僕たちの日常の世界にも存在し得ると。気が狂うほど好きな相手に思いが届かない、こちらに振り向いてくれない、何もかも思い通りにいかない――。そこにはただ物質的な深さと壁がないだけで、誰も手を差し伸べてくれない絶望的な「穴」に違いはないのだと。そんな、悲劇ではなく日常に狂ってしまった少女をソーラ・バーチが見事に演じている。『ゴースト・ワールド』でもそうだったけど、彼女のルックスや空気感は、なぜこんなにも生来的に(?)疎外されているのだろうか。薄いグリーンの瞳、赤く光る髪の毛、ちょっと大きめの胸。それらすべてが彼女の「ちょっと普通じゃない感じ」を主張している。疎外されて本当に狂った者だけが、この醜悪な世界を逞しく生き抜いていくのだ。ソーラ・バーチは笑いながら孤立していく。

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