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Boy Meets Man

Boy Meets Man
これまで嫌になるほど比べられてきたU2初期のアルバム二枚。
この二枚について、僕にはもはや言葉は残されていないし、
何も言わなくてもこの二人の顔つきを見ればすべてがわかる。
二人の少年は、同一人物である。

今月、ついにU2のニュー・アルバムがリリースされる。
09年に新作を発表予定のあらゆる大物バンドの中でも、
最も注目すべきリリースであることは間違いない。
今年最初のセンセーション。

09年、ロックがすべきこととは何か。
ロックにしかできないこととは何か。

War
/ U2

U2-War.jpg
U2のロックは祈りである
 72年に北アイルランドで起った「血の日曜日事件」をテーマにした“ブラッディ・サンデー”が、ポーランドの「連帯」という労働組合をモチーフにした“ニュー・イヤーズ・デイ”が、収録されている。日本では『闘』と名付けられた本作は、U2のサード・アルバムにして初の全英一位獲得作。それまでやや内省的であった言葉の矛先は、本作で社会という外の世界へと向けられている。アメリカ人でもないのにオバマの就任式に登場するなど、積極的な社会派バンドとしての現在の彼らの立ち居地を印象付けた初めての作品である。現在のU2というバンドの、ひとつの大きな「前提」を作り上げた非常に重要な作品である。
 しかし、本作制作中のバンドの内情は、とてもじゃないが世界に闘いを挑めるような状況ではなかった。アダム・クレイトンを除く三人のメンバーはこの頃キリスト教に激しく傾倒していた。その要因は、一言で言うならロックへの疑問である。ロックが人を救わないという余りにも残酷な真実に、彼らはこの時直面していた。ジ・エッジは事実として一度バンドを離脱している。そんな、バンドとしての危機的な状況を何とか乗り越えて完成した本作。この時点で、彼らは自分たちの歌が世界を救わないことを知っていた。扇情的な言葉を冠したアルバムだが、ボノは本作発表当時、これは破壊的な作品ではない、否定的な作品ではない、抵抗の音楽ではない、と何度も繰り返していたようだ。本作のツアーで彼が白旗を振るパフォーマンスを行ったことは有名な話。冒頭曲“ブラッディ・サンデー”でも旧約聖書の詩篇を基にした最終曲“40”でもまったく同じことが歌われている。「いったいいつまでこの歌を歌い続ければいいのか」と。世界はこんなにも間違っているのに、それなのに、なぜ自分はこんなにも無力なのかと。あどけない顔をしていたかつての少年が、まるで見過ごせない何かに気付いてしまったかのように、その透明な瞳に鋭さと厳しさと激しさを湛えている。彼が見据えている対峙すべき闘いの敵は、他でもない「自分自身」だ。白旗を上げたところから始まる闘いと音楽。そして、U2は歌うことを止めなかった。たとえそれが、世界を救わないとしても。
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