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ウェルカム・トゥ

The Black Parade
/ My Chemical Romance

My Chemical Romance-The Black Parade
命よりも大切なもの
 すべてをそこで終わらせる死。すべてをそこから永遠に変える死。いったい何が違うのかと思う。どちらが正しいという問題ではない。でも、死が僕たちのすべてをそこで断絶させてしまうものならば、それは少し悲しすぎると僕は思う。僕たちが生きるということは、結局は死で区切られてしまうのかと思う。自分を区切ることができるのは、自分自身ではないのかと思ってしまう。だとしたら、僕たちは自分のために生きることなんて究極的にできやしないじゃないか。だって、僕たちを生かすものは自分自身じゃなくて、天から授けられたありがたい命だということになるじゃないか。僕たちは、命なんていう一般論で生きてはいない。それぞれがそれぞれの人生の中で抱え込んだどうにも個人的な思いを守り抜くために生きてるんじゃないか。せっかくこの世に享けた生? 大切な命? そんなくだらないもののために、前向きに生きられてたまるかってんだ!
 だからこそ、マイケミは死に対してある意味で恐ろしく無責任になることができる。このアルバムを聴いていると、死を超越する永遠はある、と僕は本気でそう信じることができる。それは、生死なんかに自分の人生区切られてたまるか!という開き直りに近いものかもしれない。死のその先を信じる永遠、その果てしなさはつまり、生き続けるという力強い勇気なのだとこのアルバムは伝えている。本作の主人公である若くして死病を患ったザ・ペイシェント。人を愛することができず、母親にも見捨てられたまさに絶望的なその少年は、明日命が終わってしまうとしても、それでも自分は続く、生き続けてみせる、という決意を胸に抱いて、今夜も瞳を閉じる。言うまでもなく、死が訪れれば僕たちの命は終わる。それでも「自分」を終わらせることができるのは生きる意志を失った自分だけなのだと、だからこそどんなに絶望的な状況でも生きる勇気と恐怖さえ放棄しなければ「自分」は終わらないのだと歌うブラック・パレードは、本当の希望だ。
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