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ブドウの木

ヴァインズ
最新作の帯に未だに「完全復活!」なんて書いてあって驚いたのだけど、
ヴァインズはたったの一度だって中途半端な駄作なんて発表したことはない。
安全なアルバムなんて一枚もなかったし、
でもだからこそプリズム体みたいに、
あちこちに向かってイビツな光を放っていた。
今のところの印象では、
最新作はこれまでで最も振れ幅の大きい作品かも。
ヴァインズは、今でもヴァインズを貫いています。
今日のCDレヴューは「失敗作」として有名な彼らのセカンド・アルバム。
ライド・ウィズ・ミー!
ファック・ザ・ワールド!
僕は大好きです。

Winning Days
/ The Vines

The Vines-Winning Days
勝利の日々は過ぎた
 デビュー作で異例の喝采を博したヴァインズが04年に発表したセカンド・アルバム。なぜあまり評価が高くないのかよくわからない。NMEのこき下ろし方なんて本当にひどかったんだから。確かに前作から飛躍的な成長があったとは認めがたいし、手クセが露呈した感はある。でも、“ライド”“TVプロ”“F.T.W.”など、前作の名曲“ゲット・フリー”を超える瞬間があちこちにちりばめられていて、僕はこのアルバムが好きだ。そもそも、クレイグ・ニコルズというこの不安定な心を持った男に僕たちが感じていた魅力はいったい何だったのか。ビートルズみたいなコーラス・ワークのセンス? カート・コバーンみたいなナイーヴさを秘めたシャウト? それも確かにあるだろうけど、決してそれだけではないはずだ。ジェットコースターに乗り込んで急降下するみたいなロックンロールのスピードに、そのきらめきの刹那性に、殺される寸前まで自分を追い込むような命知らずのスリルではないのか? 死の一歩手前でこそ生の確かな手ごたえを感じることができるとでも言うような、ギリギリのところで駆け出す最速のロックンロール。アスペルガー症候群だからどうのこうのというものではなくて、クレイグの心の繊細さは、うまくやろうとしてもなぜだか危険の境地に自分を立たせてしまう破滅衝動と同義のはずだ。ゴミみたいな世界に「ファック・ザ・ワールド!」と中指立てながら坂道を転げ落ちるロックンロール。勝利の日々なんて過去のものだろ? これがヴァインズじゃなくて何なのか。
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