タカさん2008 / 09 / 21 ( Sun )
![]() モグワイの最新作、『ホーク・イズ・ハウリング』。 このジャケットは、はっきり言ってナシじゃないのか!? ここまでの駄目ジャケは久しぶりだ。 タイトルも、まんますぎるだろう。 でも、タイトルもジャケットもテキトーな分、 音への集中力は相変わらず凄まじい。 バイトですっかり疲れてしまったところにこのジャケットでかなり脱力したのに、 背筋をピン!と伸ばされる気分だ。 そんなわけで、今日のCDレヴューはモグワイの作品。 97年発表のデビュー・アルバム。 ジャネット・ジャクソンに憧れた安室奈美恵が、 ジャネットの真似なんて何ひとつしていないのと一緒だ。 Young Team / Mogwai ![]() 誰も真似できない「始まり」 モグワイは、言葉に意味を求めなかったバンドだ。言葉に自我の居場所を与えなかったバンドだと言ってもいい。最新作の楽曲タイトルの由来の話を読んだが、そこには呆れるほどの言葉に対する自我の欠落が見えた。一部の楽曲にこれまでフィーチャーされてきたボーカルも、モグワイにとっては音の隙間を埋めるインストゥルメンタルの一部でしかない。本作は、ポスト・ロックにおけるインスト・ミュージックの不動のモノリスとして90年代に屹立するモグワイのデビュー・アルバム。静寂の彼方から堰を切ったように膨大なノイズを放出し、引き潮のごとく再び静寂へと帰結するこの独特なサウンドと楽曲構成は、「言葉に自我を託さない」という前提から始まったモグワイだからこそ言葉以上に具体的な説得力を持ちえているし、それゆえに圧倒的にリアルだ。音そのものと自我の歯車を噛み合わせることは可能なんだということを、言葉を使わずしてもパーソナリティやエモーションを音に丸々託すことは可能なんだということを実証して見せた作品である。本作以降モグワイからの影響を明らかに受けたインスト・バンドの連中が世界各地から次々と現れているが、未だに誰一人として「モグワイ」になれていないという事実が、モグワイの功績がこの新たなインスト・ロックの発明というよりもむしろその「概念」のひらめきだったということを物語っている。そして、モグワイに憧れた彼らは別に「モグワイ」になれなくてもいいんだと僕は思っている。トム・ヨークが、死ぬほど憧れたジム・モリソンに自分はなれないということを自覚したからこそ「トム・ヨーク」になりえたように、ロックの未来はいつだって他者ではなく自己の中にこそ眠っているからだ。 スポンサーサイト
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コメント
タカさんだ!!!
そう、タカさんだ!!!
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