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Wanted

福岡空港
ウズベキスタンへ発つ彼女を見送りに(兼・荷物持ち)、今日は朝から福岡空港へ。
一週間もひとりで海外だなんて、なんとも頼もしい子です。
今はまだ多分途中で経由するソウルで再出発待ちかな。
本当は僕に輪をかけて内気な子だけど、僕よりも人当たりは良いから、
言葉は通じなくてもまぁなんとか上手くやるだろうと思っている。
元気に帰ってきてくれたら僕はそれでいい。

お互いにバイトが忙しくて日頃でさえあんまり会えないのに、
一週間も海外かぁ、とひどく感傷的になった僕は、
空港から家にひとりで帰る間ずっとウィーザーを聴いていた。
『ブルー・アルバム』をリピートで。
このアルバムのレヴューを書くのは、もう何回目だろうか。

音楽を聴き始めて約十年。
本当に数え切れないくらいの歌を聴いてきたけど、
体中の毛穴という毛穴が塞がるほどピッタリ僕に重なる「共感」は、
未だに“オンリー・イン・ドリームス”ただ一曲にしかない。

Weezer (The Blue Album)
/ Weezer

Weezer-weezer.jpg
誰だって“オンリー・イン・ドリームス”だった
 勘違いされては困るので言うが、ウィーザーの歌はダメなあなたを勇気付ける応援歌なんかじゃない。ダメなウィーザーとダメなあなたの、ダメの舐め合いではないのだ。ウィーザーの歌は、ダメなあなたを救わない。自分ひとりすらも救えない惨めな男の歌が、赤の他人のあなたを救えるわけがないだろう。素晴らしすぎるこのデビュー・アルバムを聴いて体が震えるほど感動した後でも、僕はジャケットに写る四人がかっこよく見えたことなんて一度もないし、憧れたことも当然ない。ウィーザーは、ダメな僕を救う救世主にはなれなかった。いつ見ても、この四人は救いがたい「ダメ」そのものだった。最終曲“オンリー・イン・ドリームス”で「夢の中じゃなきゃあの子を抱きしめることができない」と絶望していたリヴァースは、この究極のラヴ・ソングを歌い終わった後でも、その子を抱きしめることなんてできなかっただろう。伝えたい気持ちもろくに伝えられず、地球が引っくり返ってもイケメンにはなれないダメなウィーザーの歌が聴き手に与えた「共感」という「居場所」とは、死ぬほど大好きな「あの子」に、ウィーザーの四人と同じく、触れることすらできないダメな聴き手の、「苦しむべき場所」だった。“オンリー・イン・ドリームス”の、無言のラスト三分半に響き渡るギター。それは、「慰め」でも「痛み分け」でもなく、紛れもない「苦痛」の音だった。そして、誰一人救わないその「苦痛」の音は、その一点のみにおいて、素晴らしく感動的なロックンロールだった。イケメンになんて無理になろうとしなくてもいい。そんな安っぽい努力はさっさと放棄してしまえばいい。でもだからこそ、お前はもがき苦しむことだけは放棄するな。それでも前向きに生きるために、絶望することだけは放棄するな。その先にしか、本当の希望は、ロックンロールの希望は、ありえないのだ。“オンリー・イン・ドリームス”の最後の「苦痛」のギターが無言で歌っていることとは、すなわちそういうことである。世界にふたつとない、僕の、「この一曲」なのである。
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