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名監督

メディア
今から観ようかなぁと考えてるDVD。
ラース・フォン・トリアー監督初期作の『メディア』。
こうやってラース・フォン・トリアーの作品を観ていると、彼の目指したものは、
映像そのもので皮膚感覚を刺激する戦慄なんじゃないかと思えてくる。
彼が中心になって提唱した「ドグマ95」の10のルールは、
ほとんどが映像に対する執着的なこだわりだった。
壁を一切排除したセットの中で作られた『ドッグヴィル』。
子どもが遊ぶところと「見えない壁」によって隔てられた部屋で
欲情男にレイプされるニコール・キッドマンを観るのは、
強烈な「不快」以外の何物でもなかった。
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は、奇跡的というか、運命的な作品だったんだと思う。
ビョークが、あの映画の、たったひとつにして最後の希望のピースだった。
ビョークがいなかったら、あの映画はただの胸糞悪い作品で終わっていた。
ビョークがいなかったら、映画が、こんな面白いものだと思わなかった。

ビョークの話になってしまいそう。
ラース・フォン・トリアーは映像の監督としてのイメージが強いみたい。
僕は、ラース・フォン・トリアーこそが誰よりも優れた語り部だと思っている。
映像だけじゃない。
この男の書く脚本は、どれもすごいんだから。
初めての方には『ディア・ウェンディ』をオススメしておきます。
最後にCDレヴューも。
映画とは関係のない、今年発表されたばかりの最新作です。

Scars On Broadway
/ Scars On Broadway

Scars On Broadway-Scars On Broadway
引っ掻き傷を残す
 システム・オブ・ア・ダウンのダロンとジョンの新プロジェクト。唸りを上げるギター、早口で何度もしつこく反復される言葉、不可解だけどキャッチーなメロディ、正体不明のまま駆け抜ける変なグルーヴ。つまり、これはシステム・オブ・ア・ダウンの狂気である。まるで世界が狂っていることを象徴するかのように、ここにしかリアルはないだろう、と聴き手に迫る威圧感とスピード感はサージがいなくともまったく失われていない。システム・オブ・ア・ダウンが休止中の今これを自然にやってくれるところが、ダロンが前向きでいる他でもない証だ。意味もなく一曲を十数分にまで引き伸ばしたり無理やり音を詰め込んだりした形式的な革新や実験の音楽のほとんどは、シンプルかつミニマムを追求しながら本当に必要な音だけを正確に選び抜き、それなのに強烈なまでに個性的でどこか変態的なダロンの楽曲に、初めて耳にしたときの戦慄の傷跡の深さという点で明らかに負けている。ダロンの把握している世界のリアリティが、「歪み」という形でそのままこのアルバムでも提示されている。感じている「フリ」で音楽はできないし、そんな音楽では説得力など持ち得ない。音楽をリアルな表現へと高めるものは、ひとりの人間の中ではどうにもならなくなった怒りや混乱なんだということを、この作品では言葉だけでなく音そのものまでもが雄弁に物語っている。
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