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今月のLP 9月

LP-Black Parade
パジャマでオジャマ。
この前このパジャマ姿で外に出かけたら珍しくうちのサークルの部長と遭遇して、
何か言われる前に「今日パジャマなんよ~」と言い訳したら
「いつもそんなんじゃん!」と言われ、ワハハとふたりで笑った。
その日の夜、部長は自分の体の臭いに吐き気がしたらしく、
来るはずだったサークルの飲み会に来れなくてなんだか悔しがっていた。
それを聞いて、みんなガハハと笑っていた。

そんなことはどうでも良いのだけど、今月購入のLPはこれ。
外面のデザインがいまいちだったから内面にしたけど、わかりにくいか。
マイ・ケミカル・ロマンスの『ブラック・パレード』。
ここ一ヶ月ぐらいかけて改めて聴きまくっている一枚。
もはや生活のサウンドトラックになってる。
06年に発表されたアルバムで一枚選べと言われたら
僕は迷わずこのアルバムを挙げるし、
00年代に入ってから発表されたアルバムの中でも
優れた五枚に入ると思っている。

写真で見るとかなりダークだが、
かつての“ヘレナ”のような暗くシリアスな曲は、実はあんまり入っていない。
このアルバムを埋め尽くしたのは、“デッド!”や“ウェルカム~”や
“ママ”や“ティーンエイジャー”や“フェイマス・ラスト・ワーズ”といった、
過剰なほどのポップネスをばらまく楽曲の数々だった。
そして、だからこそこの作品は素晴らしかった。

本作は、テーマに「死」を掲げながらも、
その過剰なポップネスによってそれを「生」にひっくり返す挑戦だった。
ポップであり続けるテンションとエネルギーを、
そのまま勇気と希望と生命力に置き換える試みだった。
ポップな歌は、ついつい口ずさんでしまう。
このアルバムも、一回聴いたら全部覚えられたし、
今だって聴く時はいつも歌いながらだ。
ポップは、何もできない「死」とは遠く離れた
「歌う」という場所に僕たちを連れて行ってくれる。
ポップに死ぬことは、不可能なのだ。
そして、このアルバムはその聴き手を巻き込む強烈なポップの力によって、
実際に聴き手の喉の奥から決定的な言葉を引き出してしまう。
最終曲“フェイマス・ラスト・ワーズ”のサビのフレーズ。
つまり、「もう生きることを恐れたりはしない」、と。

試しに最初から全曲歌ってみたら、
このアルバムのすべてがこの一言に集約されていく感動が
ありありとわかってもらえると思う。
苦しいこと、辛いこと、無力なことの究極的な象徴としての「死」を歌い、
その恐怖を振り払えないことを認めながらの、
「もう生きることを恐れたりはしない」。
この飛躍はいったい何なのか。

実は、マイケミがこのアルバムで歌っている象徴的な「死」は、
僕たちが逃れられない「宿命」というか、
僕たちの揺るぎない「前提」を歌っているに過ぎない。
僕たちは生まれた時からすでに無力で、
世界を変えることもできずに、死んでいくしかない。
でも、マイケミはだからこそ、
もがき苦しんで絶望することすら放棄しちまってどうすんだ!と歌っている。
人間が絶望するのも死ぬのも当たり前だろう、と。
だからこそうなだれてないで必死であがいてみろ、と。
そこにしか希望はないだろう、と。
要するに、本作の本当のテーマは「生きろ」である。

これ聴いて未だに自殺がどうこうとか言ってるやつがいたらそいつはアホだ。
そういえばどこで見たか忘れたけど誰か軽いとか言ってたぞ。
グッド・シャーロットの方がマシだみたいな。
ふざけんな。
逃げられない現実を直視して、
それに絶望しながらも、こんなにも死ぬ気で前に進もうとするロック・アルバムが
他にあってたまるか!

プロの評論家でさえマイケミについては勘違いしているアホが多い。
何をかっこつけているのか。
自分は別に絶望的な人間なんかじゃないとでも思っているのだろうか。
そんなおめでたいやつなら、
本当にお願いだからロックを聴くのなんてやめて欲しい。
無力で愚かでボコボコにへこんだいびつなフォルムをした自分が、
それでも前に転がり続けるために、僕たちはロックを聴くんだ。
資本主義とか社会のルールとか大人の常識とかいう
単純な図式にすでに押し込められた人間にロックはできない。
マイケミは、全然大丈夫じゃない自分を守るためにロックをやっているし、
自分と同じような大丈夫じゃない僕たちをなんとか前に進めるために
ブラック・パレードという道化を演じていたんだ。

すべては「生きる」ためなんだ。
僕たちはブラック・パレード。
「死」に向かって行進している。
でも、俺はまだ生きてるんだ。
ザマアミロ。
僕たちは、生きてりゃなんだってできるんだから。
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