FC2ブログ

最強のコンピ②

08-08-12_14-11.jpg
僕の実家の勉強机の引き出しの中は、
鉛筆や消しゴムやはさみのような筆記用具ではなく、
大英帝国が誇る世界最強のコンピ・シリーズ、『NOW』で埋め尽くされている。
UKポップ・シーンの動向は、これ一枚(中身は二枚組)で瞬時に読み取ることができる。

例えばこの『NOW1997』。
97年の年間ヒットのようなセレクションなわけだけど、
オーシャン・カラー・シーン、スーパーグラス、
そしてオアシスの“ドゥ・ユー・ノウ・ワット・アイ・ミーン?”の次に
なんとレディオヘッドの“カーマ・ポリス”が入っているという
実にイギリス人らしいというかシニカルというかいやらしいというか、
本当に皮肉屋さんなコンピなのです。
しかもレディヘの後はブラーの“ビートルバム”だよ。
そう、これが97年という年だった。
ブリットポップはもう終ったんだよ。
オアシスが「過去の人」になった瞬間がここに記録されている。

他にもボーイゾーンとかバックストリート・ボーイズとか
スパイス・ガールズなんかのアイドル(?)グループから
U2にロビー・ウィリアムスにR.ケリーといった大物まで多数収録。
普通のコンピとはボリュームが違う。
中学生の頃、このシリーズのおかげで僕の世界は急激に広がったんだ。
この引き出しは懐かしい場所だ。


...Baby One More Time
/ Britney Spears

britney_spears_britney_spea.jpeg
心の恋人、ブリトニー
 どうしてうちの中学にはブリトニーがいないんだろうと真剣に失望したことがある。どいつもこいつも、ブリトニーの魅力と比べたらケーキとうんこの差ぐらいのくだらない女子ばかりだった。教科書忘れてもこのアルバムだけは毎日学校に持っていってひとりになる隙があれば取り出してこっそり眺めていた。ブリトニーのことについて他の人が知っていて僕が知らないことがあるのがどうしようもなく耐えられなくて、自転車で三十分ぐらいかかる遠くの本屋さんに、学校の連中に見つからないようにコソコソと足しげく通っていた。ブリトニーのことが書いてあれば、ロック誌なんてほったらかしてほとんどゴシップ誌みたいな音楽雑誌だって片っ端から読み漁っていた。ブリトニーが表紙の号は、当時はCD買う金すら持ってなかったくせになんとかして二冊買うようにしていた。家族に知られるのがイヤでイヤで堪らなくて、机の引き出しに押し込んでは頻繁に取り出して家でもこっそりと眺めていた。トイレに行く時は雑誌を隠して不自然な感じになった服の中を家族に見抜かれやしないかと毎回冷や汗ものだった。ブリトニーが欲しくて欲しくて、堪らなかった。僕の懐かしき中学時代。ブリトニーは僕のすべてだった。今でも、僕の中のブリトニーは時が止まったみたいにこの笑顔のままです。テレビとかで報道されてる彼女は、きっと偽者じゃないかな。
 容量の問題でi-Podに曲がもう入らなくて、いつも新しいのを入れるたびに何か消していかなくちゃいけないのだけど、ビートルズのアルバムが消えてもこのアルバムはずっと消さずに残している。もちろんよく聴くのはビートルズの方だしビートルズのアルバムの方が素晴らしいことも明白なのだけど、でもそれで良いと思っている。僕の中学時代の歪んだ恋心よりビートルズがロックの在り方を根本から覆した余りにも重大な歴史的事実の方が大切だ、なんてことがあってはいけないのだ。例えば、音楽と恋人、どっちを取りますか?という究極の質問をされたときに、堂々と「音楽」なんて答えるロック・ファンは完全なモグリである。そんなアホなやつにロックは聴けない。どちらがロック的か、と訊かれたらそりゃあ大切なものを振り切ってでも音楽を追求するアグレッシヴな姿勢の方が一見ロック的だ。でもそれは違う。ロックとは、大切な「思い・思い入れ」を守り抜く勇気である。大切なものを守り抜くために、ロックンロールであるために、ロックンロールすらも裸足で踏みつける勇気である。あなたが守り抜かなきゃいけないものは、なんですか?
スポンサーサイト



16:38 | 音楽 | comments (4) | trackbacks (0) | page top↑
ありがとう、ブラック・パレード | top | 最強のコンピ

コメント

#
感動しました。
書き込み失礼します。
まさかブリさんのアルバムについての文章でこんな感動を得られるとは思いもしませんでした。
そうですね、たぶん現在ゴシップ誌を騒がせてるあのブリトニーさんはメディアが作り出した偽者ですね。
ブリさんに思い入れがない僕でも、そう思えてきます。

「あなたが守り抜かなきゃいけないものは、なんですか?」という問いに、瞬時に答えを出せない自分をやるせなく感じます。
by: ササキ・タカシ | 2008/08/12 22:50 | URL [編集] | page top↑
# ササキ・タカシさんへ
どうも、いつも「放課後、」楽しく読ませていただいてます。
マイケミの『ブラック・パレード』、
皆さんなかなかの酷評で面白かったです。笑
刺激的な場所なので、ちょくちょくお邪魔します。

こんなオタクの話で感動しちゃダメです笑
いやぁまあ今のブリトニーも本物なんですけど、
というかこの頃のブリトニーはフェイクだったんでしょうけど、
僕はずっとだまされ続けます。

今読み返したらずいぶん大げさなこと書いてますね笑
冗談で書き始めたんですけど、
でも後半は結構力んでしまったみたいです。
僕の守り抜かなきゃいけないものは、自分です。
by: 幸大 | 2008/08/13 16:57 | URL [編集] | page top↑
#
あー、ご覧になっていただけてますか、うちのブログ。
恐縮です。

リンク貼らせていただいてよろしいでしょうか。
by: ササキ・タカシ | 2008/08/14 13:44 | URL [編集] | page top↑
# ササキ・タカシさんへ
はい、しょっちゅう笑
あのアルバムはそんなんじゃない!とか憤りながら見てます笑

はい、貼ってもらって結構です。
僕の方にも加えときますね!
by: 幸大 | 2008/08/14 15:35 | URL [編集] | page top↑

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://overtheborder.blog64.fc2.com/tb.php/433-e4156ec2