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世界を塗り替える音

シガー
毎日、授業→バイト→音楽の単調な生活だけど、
最近はなんだかなぜだかこまめに更新できて嬉しい。
ついに、このアルバムを聴いています。
シガー・ロス(「勝利の薔薇」という意味らしいです)の最新作、『残響』。
今まで特別に好きなバンドではなかったけど、
これはすごい作品が出てきてしまった。
明日も朝から授業があるけど、今晩は眠れないぞ。
来週からはテストも始まるけど、勉強なんてやってられっかってんだ。

ロックは、ありがたい単位も社会でうまくやり抜く処世術も教えてくれないけど、
それでも、こんなにも、こんなにも、感動的なのだ。
ロックは、誰の命も、生活も、救わない。
それでも、ロックは、人の生き方を変える。
ロックが求めるのは答えじゃない。ゴールじゃない。
ロックが求めるのは、始まりである。
「今、ここ」という揺るぎない大前提の上で、あなたはいったい何を始めるのか。
僕は、自分の「今、ここ」の上に、チョコンと行儀良く座って、
時間の流れが自分を未来に運んでくれるのを待つ気なんて、ない。
自分の足で踏み出すのだ。自分の力で切り開くのだ。
それを続けるのがロックの力だ。
永遠を求める力。
それは、未来を自力で開き続けるロックンロールの勇気だ。

シガー・ロスだって、そうだろう。
シガー・ロスは、自分たちの揺るぎない「今、ここ」の上で、全力疾走するつもりだ。
しかも丸裸の自分たちを太陽の下に曝け出して。
“ゴーブルディゴーク”の激しく脈打つ生命力。
“フェスティヴァル”中盤~終盤の、
元気なマーチング・バンドが通り過ぎるような前進力。
そして、圧巻の“オール・ボート”。
このアルバムは素晴らしい。
ジャケットはほとんど笑いのネタになっているが、
これほど的確に、明確に、本作でのシガー・ロスの在り方を示す絵はない。
このアルバムを聴くか聴かないかで、
人の人生は大きく変わるような気分さえしている。
まだ一回とちょっとしか聴いてないけど、いきおいでレヴュー書くぞ。

Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust
/ Sigur Rós

sigurros.jpg
この「慶び」こそが、「勝利の薔薇」色だ
 シガー・ロスの音楽に、初めて景色を見ることのできる作品だと思っている。これまでだって濃い霧のかかった森に迷い込んだかのようなイメージはあったが、こんなにも悠々と広がる景色を眺めることができるのは初めてである。霧で視界を遮られたかつての青白い森の中は、つまりはシガー・ロスとしての心象風景であり、妄想の世界であり、世界から隔絶された庵室のような空間だった。それが、何だろう、この大地の奥底から突き上げてくるような圧倒的な力は。「閉塞感」とか「内省」とか「逃避」とか、これまでシガー・ロスについて語る時に必要だったそういったキーワードとは見事なほどに正反対の意味を持った言葉しか出てこない。シガー・ロスにとって自分たちを突き詰める自問と空想の場所であったはずのこの音楽は、世界と対峙する場所へとその意味を急速に変質しつつある。何かと話題のジャケットも象徴的だ。是非ともこれまでの作品と見比べてみて欲しい。シガー・ロスはついに自己という森を離れた。新たな景色が、拓かれようとしている。
 “オール・ボート”がとにかく素晴らしい。はっきり言わせてもらうが、シガー・ロスの最高到達点である。もはや「ロック」のものですらない荘厳なオーケストラと迫真の合唱が急上昇して凄まじいカタルシスを駆り立てるこの曲は、本作におけるシガー・ロスのメンタリティを何よりも雄弁に物語っている。世界を拒絶することでしか得られなかったかつてのカタルシスはここで徹底的に漂白され、世界と繋がることに対するカタルシスへと鮮やかに塗り替えられる。すごい。この曲は本当にすごい。その絶対的な「正しさ」を振りかざしながら世界の特等席で威張り散らすあらゆる愛と祝福の歌を、この曲は一気に白々しいものへと劣化させる。こんなにも純度の高い「慶び」の表現を、あなたは他に知っているだろうか。衝撃的なジャケットも、本作で迎えた劇的な変化も、すべての理由はこの曲の中に集約されているような気がする。もうしばらくこの「慶び」に身を浸していようと思う。今はここまでしか言えなくて本当に悔しいし申し訳ないのだけれど、僕は、何かを掴めそうな気がする。シガー・ロスも、どこかに辿り着こうとしているんだと思う。
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