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徹底検証 第二弾

カテゴリーに「徹底検証」という項目を追加しました。
僕のリンクに入ってる「Deep Impact」というブログで
fafnirさんがやっている「Artist Pickup」というコーナーの完全なるパクリ企画ですが、
本人の許可をちゃんと取ってパクってますので大丈夫です。
前にYUKIのキャリアをオリジナル・アルバムを通して振り返ったことがあるんですけど、
そんな感じで、あるアーティストのキャリアを簡単に総括してやろうという試み。
どれくらいの頻度でできるかわかりませんが、頑張ってやっていこうと思います。

YUKIを第一弾ということにして、今日は第二回目。
このバンドについて、このブログで触れることはあまりありませんが、
今年は新作発表を控えているのでよく登場すると思います。
僕のロック・オタク人生を切り開いた人たち。
高校の卒業文集での僕の作文には、
この人たちの名前が十回以上登場するという異常さでした。
6枚目のアルバムが出た時には、学校休んで買いに行ったなぁ。
一生聴き続けていくであろうこのバンド。
「徹底検証」、第二弾はオアシス。


Definitely Maybe
Definitely Maybe

ガサツな、余りにもガサツな「伝説」
 オアシスの場合、歌詞はあまり重要ではないとよくいわれる。シェイクスピアよりも生傷と白いラインが大好きな若猿だった彼らに文学性なんてものは無縁だったし、ライブでほぼ全曲をファンが合唱するのが象徴的なように、オアシスの良さは誰でも口ずさめるその普遍さにあるからだ。だが、このアルバムでは言葉こそが物をいう。リアムのボーカルはまだ出来上がっていないし、94年作という時差を加味した上でも、このアルバムの音は余りにもお粗末だ。決して完璧なデビュー・アルバムではない。では、なぜこのアルバムは今なおオアシスの「伝説」として90年代ロック史にどっしりと鎮座しているのか。言葉の圧倒的な存在感である。一曲目から「今夜、俺はロックンロール・スター」と歌ってしまうのである。「死にたくねえ、生き続けたいんだ」も、「働くなんてアホな行為、苛立つ価値すらねえぜ」も、「俺は俺自身でいなくちゃならない」も、ガサツ極まりないが、カート・コバーンやトム・ヨークには絶対に歌えなかったのである。ここまで楽曲に対してバカ正直なロックンロール・スターは、後にも先にもオアシスしかいないのである。ドラッグとビートルズ愛しか持っていなかったワーキング・クラスの若者の徒手空拳が世界を打ちのめした、最高のデビュー・アルバムなのである。


(What’s The Story) Morning Glory?
(What's The Story) Morning Glory?

オアシスの記念碑
 『ディフィニトリー・メイビー』、シングル“ホワットエヴァー”、そして本作、と94年から95年のオアシスの勢いは本当に凄まじい。90年代のワーキング・クラス・ヒーローとしての登場からたった1年で、オアシスは自身をロック界の頂点まで一気に高めてしまうのだ。ビートルズからの流れを汲む、というよりもビートルズのメロディのパッチワーク・ソングにもなりかねないこの思いっきりブリティッシュでわかりやすいメロディは、ビートルズのそれと同様に、今聴いても精彩をまったく失っていない。“ワンダーウォール”“ドント・ルック・バック・イン・アンガー”“シャンペン・スーパーノヴァ”といった現在もライブのハイライトであり続けている「オエィシス!」な名曲たちが当然のような顔をして並んでいる本作。このアルバムの発表でオアシスは鮮やかなグローバル・サクセスを手に入れ、「第二のビートルズ」の名を欲しいままにするのだ。セールスはついに二千万枚を超え、ネブワースやメイン・ロードなどの大規模なライブを制覇する一方で、ブラーとの確執が最も激しさを増した時期でもあったし、ドラッグ&アルコールの摂取量が尋常ではない時期でもあった。とにかく、様々な意味で、オアシスが世界の中心で暴れまくっていたことを示すアルバム。


Be Here Now
Be Here Now

永遠に拭い去れない「97年」
 『ディフィニトリー・メイビー』以来、最短距離を通って頂点に上り詰めたオアシス。盛り上がるのも早かったが、落ち始めるのもまた早かった。『モーニング・グローリー』がもたらした抱えきれないほどの成功は、やっぱりこぼれ落ちていたんだなとこのアルバムを聴く度に思う。オアシス史上最悪な環境で作られた本サード・アルバム。ギャラガー兄弟の仲は以前にも増してギスギスと歪みバンドはすっかり機能を失い、成功が連れてきたドラッグの効果を原動力になんとか作られたわけだが、結果は『ストップ・ザ・クロックス』収録曲を見ればわかる。一曲も入ってないから。ノエルもこのアルバムはキャリアから消し去りたいと嘆いたほど。でも、このアルバムは発表当時だけで800万枚も売れた。前作の成功が数字に影響しているのは明らかだが、それでもすごい記録である。僕も中学生の時初めて聴いて、正直、悪いアルバムだとは思わなかった。でも、徐々に化けの皮は剥がれてくる。ダイナミズム至上主義に一気に傾倒した本作の爆音は、曲の悪さをごまかすためのトリックか、ドラッグでハイになった意識が作り上げたのか。ごまかしの処置では悪さは絶対に糊塗できないし、聴き手もバカじゃない。ブリット・ポップを終わらせた大元凶。でも日本でだけは人気がある。はてな。


Standing On The Shoulder Of Giants
Standing on the Shoulder of Giants

ついに鞘に納まったか
 『モーニング・グローリー』で世界を手に入れてからのオアシスの作品は、少なくともメイン・ソングライターかつバンド・リーダーのノエルにとっては、自分の楽曲の可能性を探る自問と検証だったんだと思う。それはつまり、オアシスというバンドの現役存続を懸けた冒険だった。随所で顔を覗かせる半端なサイケデリアに、そんな試行錯誤が垣間見える4枚目のオリジナル・アルバム。『ヒーザン・ケミストリー』『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』の2枚が発表されていなかったら、このアルバムを振り返ることは、ファンにとってはとてつもなく切ない行為になっていたかもしれない。初期メンバーのボーンヘッドとギグジーが相次いで脱退を表明し、前作『ビィ・ヒア・ナウ』の不振もあって、そろそろオアシスも解散か?シーン撤退か?と囁かれていた頃だった。そんな悲惨な状況の中、現役宣言の如く発表された本作だが、やはり絶望的だった。そもそも曲が良くない。あまりにも存在感が薄いのだ。かつてのストレートど真ん中なサウンドもすっかり停滞し、サイケデリアで輪郭を曖昧にぼやかしている感覚さえある。それにも関わらず、“ワン・ウェイ・ロード”“キャリー・アス・オール”“レッツ・オール・メイク・ビリーヴ”など、シングルのカップリング曲だけがかなりのクオリティを誇っているところは、未だ解明されない謎。


Heathen Chemistry
Heathen Chemistry

王者、帰還
 新メンバーのゲム・アーチャーとアンディ・ベルも制作に関わり、ソングライター4人体制で作られた初めてのアルバム。ノエルが完全にソングライティングの独占権を握っていたバンドにとって、このアルバムでの抜本的な構想改革がもたらしたものの意味は大きかった。ノエルの役割の後退が、ネガティヴな意味ではなくバンド復権の重要なカギになっている。ゲムとアンディの曲も良いが、リアムのソングライターとしての急成長には特に目を見張るものがある。“ソングバード”なんて、キャリアを代表する名曲のひとつじゃないか。でも、やっぱりノエルの存在感はでかい。信頼できるソングライターを新たに3人も得たことで、前作、前々作のころの迷いがノエルから払拭されたようだ。これまでよりもリラックスしてのびのびと作ることができたのか、“ヒンドゥ・タイムズ”“ストップ・クライング・ユア・ハート・アウト”“リトル・バイ・リトル”など、ノエルの楽曲は以前のクオリティを完璧に取り戻している。没しつつあったオアシスが、再び鎌首をもたげ始めた。別段、際立った個性があるわけではない。しかし、面構えのすっかり変わったこの頃のオアシスは、これからまたでかい一発かましてくれるんじゃないかという予感をヒシヒシと発信していた。


Don't Believe The Truth
Don't Believe the Truth


これが新しい「オアシスらしさ」
 『ヒーザン・ケミストリー』で激変したソングライティング・システムをそのまま踏襲した6枚目のオリジナル・アルバム。4人のソングライターが、自分のやりたいこと・それぞれの個性を自由に発揮させ、それが黄金比率で結晶化した、素晴らしく奇跡的な作品。これは『ヒーザン~』でも言えることだが、ファンが求め続ける「オアシスらしさ」と自分のやりたいことの落差の中で立ち尽くしていたノエルを救ったのは、ゲムであり、アンディであり、そして、リアムだった。「オアシスといえばノエルの曲」という凝り固まった概念を、他の3人の楽曲がノエルの楽曲と拮抗できるレベルにまでついに辿り着いたというポジティヴな意味で見事にぶち壊した作品。リアムは「我が道」をさらに奥へと突き進み、ゲムとアンディはオアシスらしいダイナミックな楽曲を手がけ、ノエルは新たな試みを生き生きと実践しながらも、“レット・ゼア・ビー・ラヴ”というオアシス王道のニュー・アンセムを残した。『ディフィニトリー~』のような比類なき「オレ様宣言」ではないし、純音楽的な魅力では『モーニング~』に一歩譲るかもしれない。セールスだってあの頃に比べればこぢんまりとしているが、オアシスの、ロック・バンドとしての一番幸せな場所は、間違いなくここにある。


他にも初期のカップリング曲集『ザ・マスタープラン』や、
ベスト版の『ストップ・ザ・クロックス』などがありますが、
多くなりすぎるのでオリジナル・アルバムだけにして省かせてもらいました。
ソニーとの契約切れのためここ数年、ベスト版やシングル・ボックスやDVDなど、
これまでのキャリアを総括させてきたオアシス。
去年は配信限定シングル“ロード・ドント・スロウ・ミー・ダウン”を発表し、
相変わらずのグッド・メロディで才能を誇示していた。
今年夏に発表が予定されている7枚目となる新作は、いったいどんな作品になるのか。
子どもの時から夢見てきたものすべてを手に入れたのが今のオアシスだと語るリアム。
音楽活動にはもっと集中していくという。
「一度聴いただけでぶちのめされるようなレコードを作る」というリアムの言葉が、
相変わらずのガサツさを持っていて頼もしい。
果たして、新作で世界をぶちのめすことはできるか。
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15:24 | 徹底検証 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑
邪王炎殺黒龍波 | top | Like A Prayer

コメント

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音楽的には何の発明もしていないものの、曲の良さとふてぶてしさで地位を勝ち取ったオアシスはやはり凄いです。たまに聴いたりすると凄く良かったりします。でもやっぱり1,2枚目なんですよね(笑)最近の2作もがんばってますけどね。

こういう記事って書くのに時間かかりますけど、自分がそのアーティストに対して感じていていたことや、好き度が再確認されて楽しいですよね。これからも続けてくださいね!
by: fafnir | 2008/02/26 03:32 | URL [編集] | page top↑
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1、2枚目の存在感は凄まじいですね。ガサツな割りにメロディがしっかりしていて、なんというか、憎いですね笑
僕は最近の2枚も好きですよ。オアシスの作品で「これ!」っていうのを選べと言われたら、僕は迷わず6枚目を取ります。

本当にそうなんですよね、この労力は間違いなく、自分の中でこの人たちのことをどうにかするためのものです。そう言っていただけるとすごく嬉しいです!次回もお楽しみに!
by: 幸大 | 2008/02/27 08:10 | URL [編集] | page top↑

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