勉強なんてしたくない2008 / 02 / 04 ( Mon )
数時間前に更新したけど再び。
テスト勉強って引き際が大切なんだよね、と自分を許す。 でも特に書くことがないのでCDレヴューでも。 1月はずっと07年作品を振り返っていたので08年作のレヴューはこれが最初ですね。 今年は去年以上にいっぱい書いていきたい。 音楽だけじゃなくて、映画や本のレヴューも、できたら書いていきたいな。 ただの感想文で終わらないものが書きたい。 The Bedlam In Goliath / The Mars Volta
混沌たる世界を背負って また、マーズ・ヴォルタの新作が始まったのか。一曲目“アバリンクラ”がその重厚な門を開き、1年半もの間せき止められていた音の洪水がドッと流れ込んで来た瞬間、僕はもう完全に身動きが取れなくなってしまいました。マーズ・ヴォルタの作品を聴く時は毎度のことだけど、新しいドラマーを迎え、約1年半振りのオリジナル・アルバムとなる本作でもまったく同じ感覚に陥ったということは、このバンドの本質はなにひとつ揺らいではいないし、やっぱりマーズ・ヴォルタの表現はロックの可能性が両手を開ききった今でさえ、究極のオリジナルなのだなと否が応でも思い知らされてしまう。 これからまだまだ聴き込んでいくつもりだが、今のところの印象としては、どんどん速くなってるということ。マーズ・ヴォルタ史上最も大きな時間的尺度を必要としたのは間違いなくセカンド・アルバムの『フランシス・ザ・ミュート』だった。5曲で70分以上というとてつもなく野放図な才能は、前作『アンピュテクチャー』、そして本作を通過することで、確実にその濃度を高めた。それがそのまま楽曲の「速さ」という結果に正しく反映されているのだ。この最新作には、10分越えの楽曲はもはやひとつもない。楽曲の濃縮化に伴って一曲一曲が以前よりも短くまとめられているため、その分もちろん収録曲の数は増えているが、アルバム全体のトータリティや勢いはこれっぽっちもブレていない。本作でのマーズ・ヴォルタのロックは、これまでと変わらない、もしくはそれ以上の量感で70分強の時間を支配しているのだ。 本作制作中、バンドはオマーがエルサレムから土産として買ってきたボードゲームの世界に大いに入り込んだという。それ以来、まったくの偶然かもしれないが、レコーディングには不可解なトラブルが多発し、メンバーはボードゲームから立ち上る怨念的な「何か」を強く感じたと話す。そして、本作はそのボードゲームの存在を具現化した作品だと。その影響か、アートワークにはあらゆる宗教的・民族的な要素からテクノロジーまでが無秩序にぶち込まれ、なんとも奇妙な空気を発散している。ボードゲームの世界はまさにそんな雰囲気だったそう。そして、本作の音楽性そのもの、アートワークやボードゲーム、それらすべてにおけるその無秩序とは、マーズ・ヴォルタの本質である。世界の様々なものを片っ端から引き受けて、混沌を練り出し、批評へと繋げる。本作はそんなマーズ・ヴォルタという表現のプロトタイプを次の段階へ更新しながら、その真上で浮上するかのような圧倒的な神秘性と勢いを持っている。先に挙げた偶然さえも引きつける力が、もしかしたら本作にはあるのかもしれない。08年が始まってまだ1ヶ月。マーズ・ヴォルタは、早くもロックの「その先」へと大きく踏み出した。 スポンサーサイト
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コメント
非常に興味深く拝見させていただきました。
この作品の発売日はメタル系の発売が多くて、 Mars Voltaまで手が廻らなかったので、 いずれ買いたいと思ってます。評判も上々みたいですし。 それと相互リンクをお願いしてもよろしいでしょうか?
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いえいえそんな、恐縮です;
はい、マーズ・ヴォルタ、買って聴いてください。 Ta9也さんが書くマーズ・ヴォルタのレヴューも読みたいです。 相互リンク、こちらの方こそお願いします! すぐに加えますので~、よろしくお願いします! |
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