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ポジティヴ

明日提出のレポートはもう書き終えたけど、他に3つもテストがある。
これはまずい。非常にまずい。
と思いながらも事情が勉強となるとなかなか手がつけられないなぁ。
まぁ別に今に始まったことじゃないし、これまでどおりなんとかなるでしょう。

彼女が毎月買ってる雑誌を買いに行きたいと言うので、
僕もrockin'onの最新号を求めてさっき一緒に本屋に行ったんですけど、
どうやらこの町は僕にあの雑誌をどうしても買わせたくないみたいです。
決して自意識過剰なうぬぼれ男ではありません。
事実として、そうなのです。
でも、絶対に負けんぞ。
だって、rockin'on3月号の特集は「反逆のロック」。
負けるわけにはいかないのである。レイジに続け。

そんなわけでrockin'onは明日以降に持ち越しになったわけですが、
文庫本のコーナーをフラフラ歩いていたら、見つけてしまいました。
野沢尚の『ひたひたと』。
短編と未発表作品のプロットが収録された、
コレクターズ・アイテムとまではいかないものの、それに近い一冊。
多分、彼の死後に発表された作品なんだろうな。
プロフィールにも載せてある、僕にとっては物凄く特別な作家さんです。

プロフィールに載せているもう一人、太宰治を好きな理由は、
僕が抱いている違和感・倦怠感、特に青春期的な類のものだけど、
それを見事に言い表してくれるから。
自分がなかなか言葉にできない複雑な感傷を、太宰は僕の代わりに言ってくれる。
太宰はもう一人の自分なんじゃないか。
世界を下降していくこのヘタレ男は、まさに鏡に映った自分自身じゃないか。
人間失格。でも、人間でいることをやめられなかったんでしょ?
だから、僕は太宰治が好きだ。

野沢尚は、何でこんなに好きなんだろう。
最近また彼の作品を読み返し始めたのだけど、
最初の頃は文章の流麗さとか、形式的なところしか読めてなかったんだなぁ、
といちいち思い知らされる。

野沢尚の作品のテーマは、「生きることについて」、だ。
要領良く生きていける人たちへの娯楽では収まりきらない、
効率の悪い生き難い生き方しかできない人たちのための、
「生きることについて」。
彼女はクラスで一番可愛くて、でも自分はダサダサで、
自分が彼女の恋人になることは絶対に不可能で、だから枕を濡らして。
そんな青臭い絶望でも「あの世」の淵に足を掛けるか掛けないかの切実なものでも、
事情は何だって良いのだけれど、人生っていうのは、とにかく生き難いものですね。

野沢尚の作品は、その「生き難さ」を起点にして立ち上がる。
生き難さをいかにプラグマティカルに受け入れるかではなくて、
生き難い人生ならいっそ手放してしまえというものでもなくて、
生き難さなんて吹き飛ばしてしまえという楽観的なものでもなくて。
人生は生き難い。でも、僕たちは生きていかなきゃならない。
その中で自分をとにかく前へと送り出すためのエネルギーを探るのが、
野沢作品なんだと思う。

『破線のマリス』を終わらせた「私を信じないでください」は、
単なるストーリーの終わりではなくて、
「生きていく」決心をした、その第一歩なんだと思う。
いじめられっ子や引き篭もりの子ども達への「頑張ろうぜ」が全く空しく響くように、
「大丈夫」という言葉では、多分、生きていくには不十分だったんだと思う。
「私を信じないでください」、このネガティヴは、
本当は大真面目にポジティヴな意味で未来に響かせるための言葉だったんだと思う。

野沢尚、なんで死んじゃったんだろう。
「生きていくことについて」を書き続けた人なのに。
人生は生き難いけど、それを自分で終わらせちゃ絶対にいけない。
僕たちは、生きていかなきゃならない。
だから、僕は多分、野沢尚が好きなんだと思う。
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