FC2ブログ

No.5

今だったらYUKIとかブライト・アイズとか言うだろうけど、
実は昔はヘヴィ・ロック、ラップ・メタルの狂信的なファンでした。
本当に、スリップノットとリンプビズキットとリンキン・パークが
世界を突き動かしていると思ってた。

スリップノットの『アイオワ』、リンプの『チョコレート・スターフィッシュ~』、
リンキンの『ハイブリッド・セオリー』と『メテオラ』。
00年から03年までに発表されたこの4枚のアルバム。
当時は本当にすごい勢いだったなぁと思う。
この4枚の上へと向かう圧倒的なエネルギーは、
そのままヘヴィ・ロック、ラップ・メタルの当時の勢いだった気がする。

でも、スリップノットがバンドとしての機能を失い、
ウェスの脱退・復帰以降フレッドがいまいち調子のでないリンプを思うと、
その圧倒的なヘヴィネスの濃さとクオリティの高さ故に、
『アイオワ』と『チョコレート~』は少し切なく聴こえてしまう。
でも、リンキンの前2作は違う。
07年に発表された3枚目を聴いた今でも確かに興奮するし、
このバンドの歩んできた道程は正しかったと思う。

スリップノットとリンプが自分たちの特技に固執して立ち止まっていたのと違って、
リンキンは常に先に進もうとしてきた。
違いはただそれだけだと思う。
そして、それがすべてだと思う。
スリップノットとリンプが完全に歩みを止めて、
リンキンだけが未だに先へ先へと進み続けてる。

正直に言って、このアルバムはファンからの評価が低い。
かつての大ファンの僕は、彼らの最高傑作だと思っています。
だからNo.5に入れた。
先へ進み続けて辿り着いたこの新境地は、
果たして「進歩」か、それとも「逃避」か。
発表から半年以上が経過した今、再検証です。

No.5
Minutes To Midnight / Linkin Park
Minutes to Midnight



第一線であり続けるということ
 アマゾンに載っているカスタマー・レヴューは「さすが最大手!」という感じで色んな人が色んな事を自由気ままに書いていて、かなり参考になる。その中でも1つ星から5つ星まで評価に激しい差が見られるリンキン3枚目となる本作。1つ星の人たちが本作を酷評する主な理由は、まとめてみれば「1、2作目と違うから」。確かにデビューからずっとリンキンの人気を支えてきたのは、「高速で畳み掛けるマイクのラップ→サビ直前に入る一瞬のブレイク→チェスターのエモーションと演奏がバーッン!のサビ」という完全無欠の黄金パターンの上に組み立てられる、まるで時限爆弾でも抱えて突っ走るかのようなハイテンション・ソングだった。だが、このアルバムは違う。計算づくされた圧倒的なクオリティだけは変わらないが、ラップは最小限にまで抑えられ、瞬間最大値を記録するスピードや爆音よりも比較的落ち着いた雰囲気の楽曲が目立つ。リンキンが本作でこれまでの完璧な法則を振り切るというそんな危険を冒さなければならなかったのは、彼らが本作で比重を高く設定したのが他でもない「言葉」だからである。歌詞に配置された暗示やメタファー、そして何よりそれを読み終わった後の余韻がこれまでの作品とはまるで違う。過去の作品では1ヶ月ほどで仕上げてきた歌詞に本作では6ヶ月以上時間を費やしたというが、見事目指すものに辿り着いたといえるのではないだろうか。その努力の原動力にはこれまでと違った作品が作りたいという衝動や作品に託す意味を重くしたかったとかいろいろ想像することができる。真意は僕にはわからないが、結果的にその行為が背負った意味として、発表から半年以上たった今だからこそいえることがある。ここでひとつ挙げたいのは、彼らがヘヴィ・ロック/ラップ・メタルの先頭に立っている最重要バンドだということ、そして、その業界がすっかり勢いを失った今だからこそ、リンキンはヘヴィ・ロック/ラップ・メタルの「その先」を示さなければならなかったということだ。同じことばかりやっていてはいけない。ヘヴィネスは、もっと危険を冒す勇気を知らなければならない。図らずもそれを示唆してみせたリンキンの選んだ道は絶対に間違ってはいない。次のアルバムが出る頃にはもっともっと正当な評価を与えられて欲しい。


スポンサーサイト



03:52 | 音楽 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑
No.4 | top | No.6

コメント

#
初めまして、年間ベストのカウントダウンを見届けるべく少し前からちょくちょく覗かせていただいています。

このLinkin Parkの作品、かくいう俺も否を打ち出した人間の一人です。モダンな雰囲気へとベクトルをもっていった方法論は俺自身も間違いではないと思ったし、ある程度は予想していたことなので、そんなに驚きは無かったです。けれども1stや2ndのメロディアスなタイプの曲と比べても今作はクオリティが高いと思えなかったのがそういう風に感じた理由でした。

しかし、今回の再検証の記事を見て、色々と発見もあり勉強になりました。これからも拝見させていただきます。
by: Ta9也 | 2008/01/23 02:12 | URL [編集] | page top↑
#
初めまして!
僕も最近Ta9也さんのブログ、拝見させていただいていました。
いや、レヴューの数、すごいですね!
僕も負けていられません。

Ta9也さんも書いていたとおり、リンキンの全2作はまさに「神懸り的」なアルバムだったと思います。そこから「わびさび」「物の哀れ」の世界に突入した本作の音そのものは、確かに衝撃的なものではないと思います。
ただ、ラップ・メタル/ミクスチャー・ロックの頂上にいるこのバンドが、それに固執することなく「モダン」なロックに、自然に移行するっていうのは、やっぱり難しいことなんだと思いますよ。それで更にセールスも超破格であり続けてる。その難しさは、僕なんかよりもずっとHRを聴いてるTa9也さんの方がわかると思います。

僕もこれからも遊びにいかせていただきます。
よろしくお願いします!
by: 幸大→Ta9也さん | 2008/01/24 06:24 | URL [編集] | page top↑

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://overtheborder.blog64.fc2.com/tb.php/299-3dea4c69