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レコ大に物申ーす!

今朝大阪の方へ帰ってきました。
我が家にはリビングにしかパソコンがなくて、
そこで書くと家族に見られるのがなんだか恥ずかしいので
携帯でコソコソ書いて更新したんですけど
うまくいかなかったので書き直しています。
もう家族は寝静まったので安心してパソコンから書いてます。

レコ大、やってましたね。
僕は最後まで観てなかったけど、後で姉から結局コブクロだったと聞きました。
コブクロか……まぁ無難というかなんというか、要はおもしろくない選定だな。
決してコブクロ批判ではないです。
ただ、ファンですらそれで納得できるの!?と思う。
コブクロは07年に何を残した?
ファンでもなんでもない人間でさえ抱いてしまう
「コブクロならもっと良い曲書けるはずなのに」という悲壮感か?
コブクロが選ばれた理由はいったい何?

僕がレコ大選考委員会の一員だったら、絶対に安室奈美恵を押すけどな。
曲は“CAN'T SLEEP, CAN'T EAT, I'M SICK”で決まり。
良い曲だったし、アルバムも良かった。
あのアルバム、『PLAY』がどれだけ大きなものを背負っていたか。
誰かプロの評論家が先に書いてくれたら楽なのに。
僕みたいなちっぽけな人間が書いたって説得力もクソもない。

年末になるとメディアはレコ大だ紅白だと僕たちを煽りますが、
それでもレコ大はともかく紅白の人気の落ち具合はすごいですね。
人気低下の理由としてメディアは「NHKの古い感覚・体質」とか
「時代は変わりますからね~」とかしか言わないけど、
一番の理由はJ-POPの停滞とその他音楽の隆盛、つまり聴き手の趣向の細分化だ。
紅白のコンセプトといえば、年の終わりに家族がみんなで楽しめる音楽祭だと思う。
まぁ若い人には演歌は退屈だろうし、お年寄りは若いノリにはついていけないだろうけど
でも基本的にあのステージには「みんなが楽しめる音楽」が集まる。
それを僕たちは長年「J-POP」と呼び続けてきた。

でも、今音楽に求められているものは、
そんな紅白の基本コンセプトとは大きくかけ離れていると思う。
洋楽の物真似レベルでのロックやR&Bしかなかった時代とは訳が違う。
数年前まで、僕たちはJ-POPに頼るしかなかった。
でも、今の日本には本物のロックもR&Bもヒップ・ホップもある。
ダンスだってクラブだってエレクトロニカだって、
J-POP以外にもオモロイもんはいっぱい転がっている。
要はもう「みんなが楽しめる音楽」じゃなくても良いのだ。
それだけの十分な選択肢が今の日本の音楽シーンにはあるのだ。
だって、年間売り上げランキングの上位にマキシマム ザ ホルモンがいるなんて、
昔じゃ絶対に有り得なかったでしょ。
そういうことなんだと思う。

さて、そんな現在の音楽業界の事情を踏まえた上で安室奈美恵です。
リアルタイムで彼女を見てきた人間として、
彼女が売れるきっかけになった『夜もヒッパレ』という番組について、
少し触れなければいけません。
本当は個人的に大好きな番組だったからですけどね。

『夜もヒッパレ』といえば「見たい!聴きたい!歌い、タイ!」
というスローガンというかコピーが有名な、J-POP黄金期を支えた歌番組です。
こんな話して、若い人はついてこれるんだろうかと少し不安になっています。
とにかく、当時は結構人気のある番組だったと思う。
僕は毎週欠かさず観ていました。
週間売り上げチャートTOP10をカラオケ方式で有名人が歌っていく番組なんですけど、
カラオケだからもちろん本来その曲を歌っている歌手は出てきません。
まぁたまに本人が出てきて……ということもあったけど、それはまた別の話。

本来とは別の有名人が歌って、それを茶の間が観る。
今思えば単純だけど画期的なシステムだと思う。
だって、本来の歌手が関わらない番組なのに、それで数字が取れる。
これが意味しているのは、紅白のコンセプトを最も極端な形で示してみせたのが、
『夜もヒッパレ』という歌番組だということ。
みんなが歌えて、みんなが聴けて、みんなが楽しめる番組。
それを成立させるには当然のことながら、
みんなが歌えて、みんなが聴けて、みんなが楽しめる音楽がなくちゃいけない。
それを具体化したのがあの番組であって、
それは当時の日本の音楽の在り方さえも物語っているんだと思う。
そして、あの番組が僕という熱烈なファンを獲得しながらも終わってしまったのは、
紅白の人気低下と同様に音楽の細分化が激しくなった「今」という時代のニーズに
番組のコンセプトが応えられなくなったからだ。

安室奈美恵は、そんなJ-POP黄金期に浮かび上がってきた人だ。
『夜もヒッパレ』のレギュラーだった時期も確かあったし、
彼女の楽曲は発表すれば必ずチャート・インし、あの番組で歌われていた。
今はいったいどうなのかという話なのだ。
“CAN YOU CELEBRATE?”ではなく、“a walk in the park”でもなく、
07年に彼女が発表した楽曲を、どれだけの人が口ずさめるかという話なのだ。
みんなが気付かないところで、彼女がどれだけの変貌を遂げたかという話なのだ。

00年代に突入して以来、
彼女は小室哲哉(漢字これであってるかな…)の元を離れ、
いったんこれまでの自分の音楽を終らせた。
近年の作品を聴けばわかるが、それ以来彼女が目指してきたものは、
自分の大好きな本場のR&Bに少しでも近付くこと、
“CAN YOU CELEBRATE?”のような完全無欠のバラードではなく、
あくまで「踊れること」を優先したハード・ビートだった。
今年発表された『PLAY』はそれをついに成し遂げたアルバムだと言って良いと思う。
そこからは「私が本当にやりたいのはコレなのよ。踊り続けることなのよ」
と言い迫ってくるような凄まじい迫力と熱さがある。
楽曲は日本のR&Bの最高到達点をマークしているし、
それでいて今R&Bを聴くということが意味するもの、
自分にとってそれがどういうことなのかということを示しながら、
「次はあなたの番よ」と聴き手に約束する、とにかくすごいアルバムだ。
そんでもってめちゃくちゃカッチョ良いんだからもう文句ない。

でも、もっと深奥部にある本当に大切なことは、
J-POP黄金期のど真ん中を通過した彼女が今、本物のR&Bを完成させたということ、
そして、『PLAY』がJ-POP黄金期から現在に至るまでの、
あらゆる音楽的営みの答えとして鳴るアルバムだということだ。
「みんなが楽しめる音楽」よりも矮小化した音楽で、
再びキャリアの頂点に上り詰めたという事実なのだ。
紅白の人気が低下するのはこういう作品があるからだ。
コブクロのレコ大受賞に違和感を抱いてしまうのは、
J-POPというでっかいタームの外側で、
それ以上のものを作り上げている人たちがいるということなのだ。
もうみんなが歌えて、みんなが聴けて、みんなが楽しめる音楽じゃなくて良い。
その事実を自身の全キャリアを以って説明してみせた案室奈美恵。
シングル“CAN'T SLEEP~”はそれが最も分かりやすい1曲。
都会の刹那や痙攣までもぶち込んだ名曲です。
曲にストリート性があることだって、J-POP期にはなかったこと。
もう本当にすんばらしいと思う。
勝手に大賞を送りつけてやりたいぐらい、すんばらしいと思う。
レコ大の選考委員会、なんか文句あるか。

今年最後の更新だと思うとつい熱くなってしまいました。ずいぶん書いたな。
かなり長くなっちゃったからいまいち文脈がつかみにくくて、
言いたい気持ちがちゃんと言い切れているか、ちょっと自信がないな。
年の終わりまでグダグダと文句めいたことを書いてしまいましたが、
この、自分が感じていることと世界の在り方との落差こそが、
僕を音楽に向かわせている原動力だ。
だから、08年も言わなきゃと思ったことは絶対に言っていこうと思う。
年が明けたら洋楽の07年ベスト・アルバム50だ。頑張るぞ。
今日はもうこの辺で終らせます。
良いお年を、来年もよろしくお願いします。
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