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浪漫派

最近は引越しとか学祭で忙しくてあんまり映画は観れていなかったんですけど
ここ数日は良いペースで観られてると思う。
今日は彼女と一緒に実写版の『ピーター・パン』を観ました。
こう見えてファンタジーものの映画って結構好きで、
それなりに期待していたんですけど、これはひどかった。

何がひどいって、ロマンがない。
本当に、全然ない。
特典映像で製作スタッフがしゃべってるのを観たら
制作側にはやっぱり「子ども向け」っていう意識があって、
そういう前提があるから仕方ないと言えば仕方ないけど、
でもわかりやすいとはいえあんなにロマンのないピーター・パンは
子どもに観せたくないなぁ。
「カラフルかつマジカル=ロマン」じゃない。

「ロマン」っていうのは、
例えばパンク・ロックだったら、何よりも大切なギターを、
大切だからこそステージの上で思い切り叩き壊すことであり、
例えば江戸時代にたくさん生まれた妖怪の話だったら、
アズキ洗いがアズキを無心に洗い続けることであり、
例えば登山家だったら、「そこに山があるから」、
それだけの理由で登り続けることであり、
例えば数学者だったら、絶対に解けないといわれる数式に、
結局解けずじまいですべてが終わってしまう可能性を認めた上で、
それでも全生涯を賭して挑戦すること。
それが「ロマン」なんだ。

要はやってる自分でさえもなぜそうしなければいけないのかわからないし、
それを傍から見つめる第三者には尚更のことわからない。
そんなわけのわからんことだけど、
でもそうでなきゃいけないものなんだ。
そんな曖昧で、適当で、掴みどころがなくて、でも素敵なものなんだ。
角ばった四角じゃ絶対に埋められない丸なんだ。

だから、ロマンに四角い具体性はいらない。
丸みがあって柔軟性の高い「なんとなく」で良い。
ネバーランドへの道のりは、月が夜空の特等席で輝く前に
ピーター・パンと子どもたちの影を飛ばすだけで良いし、
「ネバーランド」という「島」はいらない。
もちろんネバーランドはなくちゃならないけど、
「ネバーランド」という名前の付いた「島」は、わざわざ用意しなくて良い。
「世界のどこか」、で良い。
「ここがネバーランドだよ!」とあっさり島に案内されたら、
なんか、興醒めだ。白けちゃう。
「ちっちゃなことじゃないか」と思うかもしれないけど、
これはものすごく大切な部分だと思う。
これもまた「なんとなく」そう思うだけだけど。

あと、これは僕だけかもしれないけど、
ピーター・パンの見た目があからさまな子どもだったら、
あの話には説得力がない。
だからといってだらしのないおっさんだったらロマンもクソもないけど、
そこももっと曖昧で、子どもか大人か、
その間の中性的な雰囲気のする役者さんにやって欲しかったです。
あと、一番個人的な話だけど、あのピーター・パン役の男の子の笑顔はいやらしい。
太宰なら「猫のような陰性の悪意」と表現するであろう気色悪さがある。
下心が本人の意思に関係なく露呈するタイプ。エロい。
あんなピーター・パン、いやだ。

明日も何か観ると思うけど、次はどんな作品かな。
『ショーシャンクの空に』が観たい。
ロマンのある映画だと良いな。


さて、今日のディスク・レヴューは日本のバンドです。
このバンドが流行ったのは僕が中学生のころかな。
今どれくらいの人が聴いてるんだろう。
当時、洋楽畑の方から邦楽を見ていた人間の感覚では、
あの一時期に全神経を集中して秒速で駆け抜けて、
そのままどっか行っちゃった、みたいな感じだったけど、
意外に注目されない「その後」が良いバンドでした。
過去に一度紹介したことがあります。
今日はオリジナル・アルバムじゃなくて、ミニアルバム。

ホフ / B-DASH
ホフ



一瞬で駆け抜ける気持ち良さ
 個人的な話で申し訳ないけど、「B-DASH結構好き」と言うと決まって「え、幸大がB-DASH聴くの!?」というリアクションが返ってくる。そんなに意外かなぁ。要は「ミスチルはああだ、大塚愛はこうだ」と屁理屈こねくりまわしていろいろと難癖つけるくせに結局B-DASHなんて軽い連中が好きなのか、ってことなんだろうと思う。でも、例えばフラテリスとかランブル・ストリップスみたいなメロディ至上主義の連中を「軽い」といって嘲笑うことが、なんだかかえってカッコ悪いことのように感じてしまうのは、やっぱりそこにはメロディやリリックの「わかりやすさ」であったり、それをでっかいひとつの岩みたいな塊にしてぶち当てるエネルギーであったり、とにかくそういった聴き手を秒速で黙らせる痛快なものがあるからなんだと思う。それは、「軽い」と呼び捨てるにはあまりにも素敵すぎる魅力だ。僕にとってB-DASHという連中はそれの模範的なバンドで、日本語/英語/めちゃくちゃ語を駆使して自分達の理想に向かってすべてをなぎ倒しながら裸足で駆け出していくそのバカ正直さは、少し大袈裟な言い方になったかもしれないが、かなり気持ちが良い。この作品は、そんな彼らが05年に発表した7曲19分弱というジェットコースター級の高速ミニアルバム。だが、そんな小さな空間の中でもあの芸風はツボをまったく外すことなく健在。むしろ、これだけアッサリしてくれている方がオリジナル・アルバムよりも清涼感は高いかもしれない。お決まりのバカバカしさにも脱帽。コーラ一気飲み、ゲップのおまけ付き。そんな感覚だ。みんなの背中を押すために「ぱ、ぴ、ぷぺぽ」と歌う彼らの優しさも、嬉しい。
 “ちょ”で一躍脚光を浴びて以来、それこそジェットコースター級の急下降を辿ったキャリア運びの彼ら。でも、個人的にはここから『NEW HORIZON』までの道のりには全盛期を超える加速度で駆け抜けた足跡が刻まれているように感じるのだけれど、どうだろう。ミニアルバムといえども、重要な試金石。
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