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スタンドアップ!

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YUKIのシングル・コレクションが来月に出ます。
未発表曲なんかは収録されない、本当に純粋なシングルのコレクション。
今日はiPod内のプレイリストに収録曲をそのまま入れて聴いてます。

音楽を聴く時はネットでカスタマーレヴューをよく読むんですけど、
みんな注目してるのは配信限定だった“ビスケット”が入ってることとか、
『joy』以降の楽曲の普遍性の高さばっかだし、
個人的には「えー!YUKIファンでさえ全然理解できてないやん!
そんなことはもうとっくにわかってるよ~」という感じです。

今シングル曲を全部聴き直して思うことは、
『PRISMIC』、『commune』、『joy』以降、と大きく3パターンに分けられる中でも
『commune』期の楽曲のクオリティっていうのは凄まじいなってこと。
もちろん『PRISMIC』期の楽曲が一番刺激的で衝動的で、大好きなんだけど、
でも『commune』の芯の強さっていうのは相当なもんだと思う。

YUKIは、『PRISMIC』で自分を救わなきゃならなかった。
夢を見続けることのできなかった自分にもう一度希望を与えなきゃならなかった。
もうしつこいくらいこのブログでは言ってるけど、
“呪い”の「もう うたえないわ」っていうこの究極の1行で、
自分の弱さで、YUKIは自分を救った。
『commune』はそんな『PRISMIC』の上に成り立った作品だ。

『PRISMIC』は自分だけに焦点を定めた内気な作品だったけど、
『commune』は自分を取り囲む少し外の世界に働きかけた作品だった。
それは時に自分自身の内面世界であり、音楽やパートナーでもあった。
その「なにかに関わる勇気」を鳴らしたアルバムだった。
自分を救うことで手に入れた「強さ」でもって、
目の前にあるなにかに両手を差し伸べる勇気を示したアルバムだった。
『commune=(語り合う、心を通わせる)』というアルバム・タイトルは
このアルバムにYUKIが込めたそんな意思表示だったはずだ。

そして、そこからシングル・カットされた3曲、“スタンドアップ!シスター”
“ハミングバード”“センチメンタル・ジャーニー”が、
来月発表のシングル・コレクションには収録されています。
すでにYUKIファンの人にも、これからYUKIを聴こうとしている人にも、
僕がシングル・コレクションから1番聴きとって欲しいことは、
この『commune』からの3曲での、YUKIの歌声のあり方、立ち方です。
『PRISMIC』みたいな情緒不安定な歌声ではなく、
『joy』以降の少女性ゴリ押しの歌声でもない。
向こう岸の心にまで届くような、
自分の弱さにも快楽性にも何にも溺れていない、
『commune』期にしかなかったエヴァーグリーンな歌声。
そこからゆっくりと立ち上がるYUKIの静かな、でも物凄く強い意思。
「立ち上がれ 私がついてるわ」
“スタンドアップ!シスター"のこの一節は、
YUKIが本作で自分の「強さ」を握り締めたことの証明。
『PRISMIC』のYUKIには絶対に歌えなかった。
『commune』が『PRISMIC』を超える光を放つ瞬間です。
シングル・コレクションでも『commune』でもどっちでも良いから、
やっぱりそこの部分を聴いて欲しいです。

『PRISMIC』や『commune』のカスタマーレヴューを見て、いつも思う。
初期作がいまいち評価されていないのは
作品の良し悪しが問題なのではなくて、
YUKIの表現の凄まじさにYUKIファンでさえついて行けてないっていうことなんだ。
全然理解できてないんだ。
シングル・コレクションの発表でこれまでを振り返る機会を得たんだから、
是非すべての作品と本気で向き合って欲しいと思う。

もうこのままディスク・レヴューに。
今日はYUKIの『commune』でいきます。
1年以上前にも紹介したことあるんですけど、
その頃とは音楽との向き合い方自体が変わりまくってるので、書き直します。
『PRISMIC』よりこの作品の方が好きな時期もあったなぁ。

commune
/ YUKI

Commune



人は、それをコミュニケーションと呼んだ
 『joy』と『WAVE』の2作が売れすぎてしまったせいで、シングル・コレクションの発表を目前にしたこのときにYUKIのキャリアをもう一度振り返るとしても、この超地味なセカンド・アルバムが俎上に載せられることは滅多にない。でも、押さえ切れない思いを必死でぶちまけようとする強い衝動や危うさも無ければ会場全体にでっかい笑顔を振りまく愛嬌の良さも無い、「大切な君」にさえ届けば良いとでも言うような静かな愛しさに優しく守られたこのアルバムにこそ、YUKIの心の深奥部から時間をかけて浮かび上がってきたかのような芯の強さを僕は感じてしまうのである。
 前半部を『PRISMIC』と地続きのギター・ロックが演出している本作だが、全体を覆うムードやスタイルとしては中盤のシングル3連発が象徴的で、要はスローで柔らかなサウンドスケープを描き出すネオ・フォークである。他の3作品と同じラインに並べて比べてみると、ロックのダイナミズムも実験性も少女性も煌びやかさも無いの無い無いずくしでもしかしたら『joy』『WAVE』好きのリスナーには少し取っ付きにくいかもしれない。しかし、このアルバムに込めた思いを的確に聴き手の心に届けるために、彼女はギター1本でさえ伝えることのできるわかりやすいロックを選ぶ必要があった。あらゆるものを削ぎ落とし、そこに残ったものは純粋な楽曲の良さと彼女のパーソナルな心情だ。だからこそこのアルバムは他のどのアルバムと比べてみても言葉の比重が圧倒的に高く、それと逆にポップとしての機能性という点では大きく引けを取る。聴けば聴くほど彼女の言葉が頭の中に深く染み込んでいく類のアルバムなのだが、それはどこか僕たちが「コミュニケーション」と呼ぶアクションと一脈通じるところがあるのではないだろうか。倉持有希というアイデンティティと向き合うこと、自分の音楽と付き合っていくこと、人と関わって生きていくということ。それをYUKI流に鳴らした、『commune』という名のドキュメントなのである。


YUKI-スタンドアップ!シスター



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22:46 | 音楽 | comments (2) | trackbacks (0) | page top↑
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コメント

# はじめまして!
書いてあることが凄くて感動したので、
思い切ってコメントしちゃいました!

そこまでYUKIのことが理解出来るなんて
本当に凄いと思います!尊敬です!★

私はファン歴浅いのですが、
幸大さんのように1曲1曲を
深く聴けるようになりたいと思いました(^^)

いきなりすみませんでした;
by: 由貴 | 2007/09/27 20:37 | URL [編集] | page top↑
#
初めまして!
そういっていただけると本当に嬉しいです!
でも僕は尊敬されるような器の人間じゃないです笑

偉そうな感じになってしまいそうでイヤですけど、
(そんなつもりはまったくないですよ!)
音楽理解するのにファン歴も何も、
関係ありませんよ。
ロックは感じ方です。ひたすらそれだけです。
あとは思い入れ。

だから、YUKIが由貴さんにとって
物凄く思い入れの強い人になってくれたら嬉しいと思います。

なんか初対面なのにすんません!
コメントありがとうございました、嬉しかったです。
by: 幸大→由貴さん | 2007/09/29 03:59 | URL [編集] | page top↑

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