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だから、ブライト・アイズは生まれた

昨日載せた詩はブライト・アイズの新作に収録された楽曲の中で
特に印象的だった“I Must Belong Somewhere”って曲の歌詞です。

ブライト・アイズ。僕のブログによく出てくるバンド。
プロフィールにもYUKI、オアシスに次いで3番目に載ってる。
それぐらい大好きなバンド。
今洋楽で1番好きなのはブライト・アイズかもしれないし、
もし聞かれたらブライト・アイズって答えると思う。

ブライト・アイズはいちおうバンドだけど、
ブライト・アイズ=コナー・オバーストだと思ってもらって良いです。
オハマのインディ・レーベル、サドル・クリーク設立時に
14歳っていう若さでプッシュされた天才。今は27歳。
「天才」なんてなんとも危なっかしい言葉だと思うけど、
でも、「10年に1人」級の本物の天才だと思う。
世界中の人々がコナー・オバーストの魂に頷くようになったら、
この世は本当の意味での平静を取り戻すんじゃないか。
最高にバカバカしいこんなことまで大真面目な顔で言えてしまうほど、
僕はこの人の思想を信じています。


新作の『Cassadaga』の日本版には
「混沌とした時代だからこそ、魂は安息の場所を求めている」とあった。
誰もが手に取れる手頃さや気軽さが売りのポップ・カルチャー。
そのひとつであるCDにこんな言葉が刻まれている時点で
世界はどこかおかしいんだと思う。
これまで当たり前のように口に運んできたものから、
毎朝目が覚めると同時に見てきたテレビの画面に映ることまで、
あらゆるものごとは簡単には信用できない。
こうして僕がキーボードをひとつ叩く間に世界では何人もの人々が
理不尽な思いを抱えることすらできずに命を落としている。
夜更かしして、次の日にのんきに寝坊なんてしてる間に、
世界ではテロやテロまがいの行為が行われている。
もうなんだか、自宅で首をつるとか、屋上から地面に命をぶちまけるとか、
そんなことよりも「世界平和」を掲げることこそが
1番の現実逃避なんじゃないかと思えるほどで、
でも、世界が本当に混沌としているのは単にそういうことだけじゃなくて、
こうやって意識しながらも僕は結局そういった出来事を
他人事としか考えていないというところにあるんだと思う。
世界でどんな事件が起きて、何人の命が奪われようとも、
僕はやっぱり明日発売される大好きなバンドの新作が気になるし、
世界中からバッシングされてる大統領の動向よりも、
好きな女の子のことが気になってしまう。

そんな「無関心」を引き連れた僕達をどうにかするために
ブロック・パーティーやレイクスは最新作で世界中に
「今と向き合うこと」「今にイラつくこと」を訴えた訳だけど、
ちょっと残酷なことを言えば、そんなこと無意味なんだと思う。
いや、無意味じゃないけど、無効化なんだと思う。
僕の世界には「戦争」も「アメリカ」も存在しない。
ブロック・パーティーもレイクスも、
そんなステートメントも含めて彼らのことが大好きだけど、
世の中はムカつくことばっかだけど、
それでも僕は拳を突き上げられない。
それが、悪いことだとも思っていない。
みんなが同じことにイラついても、世界はひとつになれない。

だからこそコナー・オバーストは
「自分を取り巻くものはひとまずそのままにしておいて、
まずは自分が今ここにいることを自覚しよう」と歌ったんだと思う。
それは、なんていうか、みんながひとつの目的に向かって突き進もう
ってことではなくて、もっと根源的な叫びなんだと思う。
みんなが人間であることの根源的な場所に立ち返って、
そうなることで世界がひとつの共鳴体になることを望んだんだと思う。
そこはきっと世界がひとつにつながれる所なんだと思う。

「ロックでアフリカの子供達は救えない。
アフリカの子供も救えない自分達を救うためにロックはある」。
これは僕の大好きな音楽評論家の山崎洋一郎さんの、
世界最大規模のチャリティ・コンサートであるライブ8の批判で
バッシングをうけまくった一言なんですけど、本当にそのとおりだと思う。
それがロックの「弱さ」だし、その「弱さ」こそがロックなんだと思う。
コナー・オバーストの指摘することはまさにそれ。
世界を変えられない自分を救うための「弱さ」。
ブライト・アイズの作品にはいつだってそれがこだましていた。
何一つ変えられない自分で良い。
それを自覚することでみんながつながれば良い。
ブライト・アイズの音楽はそういうものだと思う。


長くなってすいません。
本当に大好きなんです。
でも、「ブライト・アイズが好き」って言っても、
「誰それ?」っていう返事しか聞いたことないなぁ。
ものすごく寂しい。もっとみんなブライト・アイズ聴こう。
俺の音楽経験のすべてをかけて素晴らしいアーティストだって保証するから。
言葉の壁があっても絶対に理解できるから。
気持ちがあれば絶対に心に響くから。
まだ聴いたことのない音楽があることを知ってほしいです。
長くなっちゃったけど、一応ちゃんとディスク・レヴューします。

Cassadaga / Bright Eyes
Cassadaga



今を生きるなら
 4月28日付けの全米アルバム・チャートで4位。世界的にはポリドールUKからのメジャー第1作目だが、北米では従来どおりサドル・クリークからのリリースである本作がアメリカで4位。05年に同時発売された『I’m Wide Awake, It’s Morning』、『Digital Ash In A Digital Urn』からのそれぞれのシングル曲がビルボードで1位、2位を独占した時の興奮がそのままセールスに持ち込まれたことは間違いないが、それでもすごい記録だと思う。個人的に1番大好きな『I’m Wide~』でさえ最高位は10位だったんだから、もう小躍りでもしてしまいそうである。ある意味閉鎖的でマニアックなオハマのインディ・シーンを飛び出して、27歳の若き青年が世界に語りかけ始めた。
 マイク・ギモス、ネイト・ウィルコット他仲の良い友人達が多く参加してファミリアーな空気を作り出している本作。マイクのギターもネイトのピアノやオーケストラ・アレンジも、ブライト・アイズとしての表現の選択肢や自由度を格段に広げる良い働きをしている。そんな心強いバンド・メンバーに囲まれたコナー・オバーストのリラックスした状態が一聴しただけで伝わってくる本当に素晴らしいアルバムだ。コナーの小刻みに震える歌声に込められた彼の魂を、バンド全体がしっかりと理解し、それを演奏で支えようとしている。抱え込んだ思いのやり場もなく、とにかく叫び声を上げることしかできなかったこれまでを振り返ると、彼が今いるところは表現者として本当に幸福な場所なんだと思う。そして、そんな「強さ」を手に入れた青年は、やはりその脆弱な歌声を震わせて21世紀を生きることの喜びや悲しみ、理不尽な思いにこれまで以上に強い叫び声を上げ、その叫び声で今を生きるにはあまりにもひ弱すぎる僕達みんなを愛している。僕よりもっと上の世代の人が聴いたら少し違うように感じるかもしれない。ただ、同じ世代の人達には本当に聴いてもらいたい。絶対聴いて欲しい。ブライト・アイズなら、コナー・オバーストなら、今を生きるしかない僕達を救ってくれると信じている。


おまけ
Bright Eyes-Four Winds
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