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2011年ベスト・ソング No.4

Amy, I
from the album "People and Things"
/ Jack's Mannequin

Jacks Mannequin-People And Things
七等星の隠し事
 アンドリュー・マクマホンはサムシング・コーポレイト(再結成しましたね)の頃から聴いてる個人的に思い入れのあるシンガーのひとりなので、このアルバムからは絶対に一曲選ぼうと思っていたのだけど、この歌にするか“リリース・ミー”にするか最後まで悩んだ。でも、タイトルが気に入っているので、こちらにすることに決めた。“エイミー、アイ”。たまらないもどかしさがうまく表現されたタイトルだと思う。たたみかけるピアノのメロディと共に、これほどまでの孤独を感じたことはないと語りかけるこの歌。タイトルとも共通するもどかしい言葉によって描かれた冬の景色がとても綺麗だ。氷の張った湖。歩こうと決意したそばから足元で鳴るひび割れの音。身を切り裂くような寒さにとりつかれた男が、触れるだけで壊れてしまいそうなその心を震わせながらも彼女の名前を呼ぶ、この歌のサビの絶頂感といったらない。“リリース・ミー”と迷ったのは、何かにとりつかれるということ、そしてその何かからの解放を歌うこと、まさにそれこそがアンドリュー・マクマホンというシンガーの重要なテーマのひとつのような気がしたからだ。彼の身体に巣食った病のこともそうだし、ピアノにしても、実際に演ったことのある人ならきっとわかるだろうが、あんなもん自分にとりつかれた人間にしか扱えないナルシストの楽器だ。そもそもこのジャックス・マネキンというプロジェクトは、彼の「自分自身を救う」というなんだかよくわからない決意から始まったバンドで、そしてだからこそリリースされる楽曲のすべては、まるで憑き物の落ちたような、これこそが救済なのだと思わせるほど解放感に満ちたものでなければならなかった。この歌の収録された、ジャックスとしての通算三作目となる『ピープル・アンド・シングス』でも、そこの部分はまったく変わっていない。恐らく、ピアノほど、我を忘れるような陶酔感に演奏者を溺れさせる楽器はこの世にない。そして、睡眠という行為がそうであるように、人はこの我を忘れるという感覚、意識を失うという状態にこそ、安寧を得、最上の恍惚を覚える。愛しい誰かとひとつになる、ということと似ている。それはつまり、もはや自分自身ではなくなるということだからだ。声を張り上げて、呼べば呼ぶほど明らかになる彼女との距離。意識して無意識になることが至極難しいように、ひとつになるための距離は、やはり果てしなく遠い。そんなもどかしさが胸を打つ名曲。
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