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お昼休み放送局

Rapture
/ Anita Baker

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珠玉のセイム・オールド・ソングス
 主に70年代後半から80年代中期にかけて、官能的なブラック・ミュージックを中心としたプログラムで人気を博したアメリカのラジオ番組『クワイエット・ストーム』。ジャズの素養を色濃く持ったシンガーであるアニタ・ベイカーが86年に発表したメジャー・デビュー・アルバムである本作は、そんなクワイエット・ストーム・ブームを代表する名盤のひとつとして知られている。当時日本のラジオでもかかりまくっていたという名曲“スウィート・ラヴ”を筆頭に、泥臭いソウルとは明らかに一線を画した、ジャズのしなやかさ、フュージョンのふくよかさの際立つ洗練されたナンバーが並んでいる。同時代の流行であったデジタル・サウンドに左右されないオーセンティックな音作り、キリスト教終末論における恍惚的な解放をモチーフにしたアルバム・タイトル、漆黒の中で祈るように着座したジャケット写真の佇まい、とひたすらにイメージはエレガント。べらぼうに歌はムーディ。でも、歌声はちょっとだけ気だるい。疲れてる。そこが、とても魅力的。広く浅くをモットーに音楽を聴いている、何に関してもにわかの僕としては、ジャズはやっぱりこの疲労感だろ、とすぐに思ってしまうわけで。場末のバー。お馴染みの酒とくたびれた煙草。使い古されたフレーズ。お決まりの座席。それは、愛着という名の宝石。誰かの手の中で、長い時間をかけて可愛がられてきた輝き。そしてそんな、長い時間の経過を感じさせる代物は、どれも決まって同じ色をしている。ウイスキーも、古いアコースティック・ギターも、手垢にまみれたテーブルの木目も。太陽も、一日という長い時間をかけて、最後の最後にこの色になる。イメージはあくまでも、ピアノの美しいボディを思わせる、エレガントなジャズの漆黒。でもその歌には、琥珀色のソウルが確かに光っている。これはいい。
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