FC2ブログ

初めての授業でいきなり河村隆一の歌を歌わせようとする音楽の先生が中学にいた。とっても会いたい。

gravity
/ LUNA SEA

luna_sea-gravity-340x300.jpg
堕ちた天使
 透明。流れ、衝突し、分裂し、そして溶け合うもの。それが、透明という形なきものの性質。水。空気。そんな透明は例外なく、空を透かすことができる。空を映すことができる。雨。涙。地上に落ちてくる、そんな小さな空。透明とは、空の擬態のことを言うのかもしれない。そして、確固とした形を持つ不透明なものたちは、空に長くはいられない。どうしてこの歌のタイトルが「重力」という意味を持つこの言葉でなくてはならなかったのか、初めて聴いた時にはわからなかった。でもそうだった。僕たちは、地上に定着することを望んだ形を持っている。流れても必ず止まる。衝突すれば固い。分裂すれば痛い。溶け合おうとしても、もどかしい。抱き合うことなんて、知らなかったから。それを求めた僕たちには、どうしてもこの形が必要だった。でもどうしても思い出せない。自分が生まれた瞬間(決して、呼吸を始めた瞬間、細胞が活動を始めた瞬間という意味ではない)。どうしても見えない。感情。意識。自我。それらが生まれた瞬間。それはもしかして、透明と呼んでしまってもいいもの? そんな目に見えない透明から始まったのだとしたら、もしかして僕たちは、最初は空の上にいた? だとしたら、いったいいつからだろう。雨を避けながらでしか生きていけないような、肉体というこんなもどかしいだけの形を必要とし始めたのは。しばらく前に書いた“I for You”にしてもそうだけど、LUNA SEAの言葉はどうしてこんなにも不自由そうに聴こえるんだろう。言葉が必ずしも心と一致しないことを思い出す。心。それは目には見えない、透明なもの。空にあるべきもの。重力に屈した地上の言葉で、それを完璧に言い表すことはできない。初めて聴いたときからすきだった。イントロからして素晴らしい。歪んだ轟音に包囲されたまま、どこにも行けずに彷徨うようなギターの音が、とても綺麗だ。ちゃんと聴くまでは、河村隆一なんて、フン!と思っていたけれど、「このまま 切り裂いて 抱きしめて ずっと」というリリックにも素直すぎるくらい感動してしまった。切り裂かれたままでしか、不自由な形を持ったままでしか、抱き合うことのできなかった孤独が鳴っている。
スポンサーサイト



23:43 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
ラストダンジョンは、 | top | おかわりクン

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://overtheborder.blog64.fc2.com/tb.php/1027-bf2dc5a8