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YUKIの新作聴く合間に、気まぐれに聴いてしまった

Straight From The Heart
/ Patrice Rushen

patrice Rushen-Forget Me Nots
思い出すために忘れないで
 元々はフュージョン系アーティストとして74年にデビューを飾ったパトリース・ラッシェン。70年代後半から徐々にR&Bに接近し始めた彼女がついに結果を出してきたのがこの82年作だ。なんといっても代表曲“フォーゲット・ミー・ノッツ”が素晴らしい(ジョージ・マイケルが名曲“ファストラヴ”の中でサンプリングしている)。80年代に発表された多くのポップ・ソングの中でも、これほどまでにクールなプロポーションを完成させた楽曲は珍しいだろう(PVもめちゃくちゃかっこいい、最初の二十秒だけ……)。シンセの音色は控え目に、ハンドクラップとダンサブルなベースラインが楽曲を牽引する、決して派手ではないが直に下半身を刺激するような(踊りださずにいられない、体感的、という意味だけども)強烈なグルーヴ感のある歌だ。サックスによるソロ・パートの色気も凄まじい。キーボーディストでもある自身も多くの楽曲で演奏に参加し、バックには西海岸系のミュージシャンを揃え、ディスコやファンクにボサノヴァまで、一枚の中で幅広くパフォーマンスしている。そんな中でも“フォーゲット・ミー・ノッツ”はやはり別格の存在感を放っているが、多くのヒップホップ/R&Bシンガーによるサンプリング使用で後に再評価されることになる“リマインド・ミー”や切れのいいギターとホーンの音色が印象的なファンク・ナンバー“アイ・ワズ・タイアード・オブ・ビーイング・アローン”、ボサノヴァのフレーヴァーを感じさせるフュージョン系のインスト曲“ナンバー・ワン”など、注目すべき楽曲は多い。ところで、英語で"Forget Me Not"と言えばワスレナグサのことでもあるが、人はしばしば花の開花に季節の訪れを託す。咲いた花を見ることで、今という季節を思い出す。気付けばもうこんな季節だね、と。そんな風に、気まぐれに、わたしのことを思い出さないで、ということかもしれない。
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