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もうほんと、これ聴いて冷静でいられるとか信じられない

Gold Cobra
/ Limp Bizkit

Limp Bizkit-old Cobra
来た、2011年ベスト・アルバム
 待ってた。この時を本当に待ってた。中学生の時に、初めてサード・アルバムの『チョコレート・スターフィッシュ~』を聴いてからずっと、リンプのこんな新作を待ってた。ウェスが一時バンドを離脱し新しいギタリストを迎えて、発売延期になりながらもなんとかリリースに漕ぎ付けた四枚目『リゾルツ・メイ・ヴァリー』のへたれ具合に失望したのをきっかけにヘヴィ・ロックはあんまり聴かなくなってたけど、リンプの『チョコレート・スターフィッシュ~』だけはいまでも頻繁に聴き続けてる。正直な話、リンプの音楽には知性と呼べるものを一切感じない。その音からは、ヘヴィ・ロックにおける美学だとか神聖だとか、そういう本質的なものはまるで聴こえてこない。腰パンしていきがってる、人を喰ったような声でラップするフレッドがフロントマンっていうのが一番象徴的だろう。すべてはスタイルのため。かっこつけるために、リンプはヘヴィ・ロックを選んだ。ファック。シット。中指立てて不用意に世界を敵に回す、ただの悪ガキにしか見えないその姿が、昔はかっこよかった。大きい音出して、露骨にかっこつけようとしてる、そのスタイルそのものがすでにかっこよかった。でもいまのロックは違うよね。二十一世紀に突入して、テクノロジーの発展と共に社会に膨大な情報が氾濫するようになるにつれ(というか、「情報化社会になったと呼ばれる」につれ)、ロックは小さい音を発信することに比重を傾けるようになった。大きい音は、すべてプロパガンダ(それをあえてやることで見事に皮肉ったのがグリーン・デイ“アメリカン・イディオット”)。小さい音こそが、耳を傾けるべき真実(9.11を経験した00年代アメリカにおけるインディ・シーンの隆盛がまさにこれだ)。そう、誰もが目にするような大きな場所には、すでに真実など存在しない。目を凝らさねば見つけられないような小さな場所こそが、真実の在り処。すなわち、信じることよりも、まずは騙されないこと。それこそが真実か否かを見極める一番のやり方。しかし、しかしここで、リンプのこの『ゴールド・コブラ』なのである(ついにオリジナル・メンバーが揃った!)。こいつら、まだ信じてやがる。騙されてやがる。へヴィ・ロックやってたら絶対かっこいいに決まってんだって。“ブリング・イット・バック”視聴した瞬間に確信した。大蛇みたいにうねりを上げるウェスのギターが、復活してる! リンプが、のけぞるような大きな音出してる! アルバムのタイトル・センスどうかと思うぞ! ついでに“シャーク・アタック”のタイトル・センスもどうかと思うぞ! 「サメ攻撃」って何だよ! しかしかっこいい。本当はダサいだけなんだけど、大きい音出した方が勝ちなんだって、絵に描いたようなアメリカン・イディオットを地でやるリンプがかっこいい。だって、ロックってそもそもそういうもんでしょ。だからみんな魅了されたんでしょ。めちゃくちゃかっこよかったから、ロックすきになったんでしょ。真実かどうかなんてたいした問題じゃない。かっこいい方が、勝ちなんだよ。
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ラヴ・マシーン | top | 人前で前髪を上げることにひどい抵抗がある。もったいぶるほどの何かがおでこにあるわけでもないのに。

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