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人前で前髪を上げることにひどい抵抗がある。もったいぶるほどの何かがおでこにあるわけでもないのに。

I for You
/ LUNA SEA

LUNA SEA-I for You
心から伝えたい、と口からしか言えない
 まさか自分にLUNA SEAを聴くときがやって来ようとは・・・・・・。とは言ってもこの歌以外は実はまだ全然じっくり聴いていないのだけど、でもあんまりいい歌だから何か書きたくなった。初期の、もっとヴィジュアル系っぽく尖ってた頃のこともメンバーの来歴についてもまだまだ何も知らないことばかりでこんなことを言うのもアレだけど(でもきっと誰もがこう思うはず)、このバンドの唯一にして最大の弱点は、河村隆一という危うい才能の存在だと思う(誰だ、真矢じゃねーのかって言ったやつ!)。あのナルシスティックな眼差しやまるで愛撫のように優しく言葉を置いていく歌っぷりが性に合わないという人も多いだろう。SUGIZO、INORAN、J、というサイドを固めるメンバーのいでたちがどこから見ても男前なのに対して(真矢はもうなんだか、かわいい)、バンドの最もわかりやすいイメージとなるセンターに立つのがあのクセの強い河村隆一であるという紙一重のバランス。元々ハードロック的な素養を持ったメンバーたちの高度な演奏は、まるで何かを傷つけようとするかのように攻撃的で、強靭であり時に美しくも、その実態はひどく歪んでいる。が、それに肝心な言葉を載せる役割を担うのが、誰も傷つけたくないと願うような甘い声で歌う河村隆一であるという圧倒的な対比。まだ簡単に聴いたくらいの段階だが、このバンドにおける矛盾と綻びのすべてが、河村隆一ただひとりに集中しているような印象を受けた。一見最も中心的で、核となるべき存在のものが、しかし最も矛盾した、弱点であるという構造。これと似たものを、よく知っている。
 本当の、優しい人になりたい。心底それを願う。しかしこれが難しい。自分なんて、もう散々うんざりし尽くしたはずなのに、まだ他の誰かよりは自分の方が大事みたいだ。誰も傷つけたくないという見せかけばかりの優しさが、真綿で首を絞めるようにギリギリと誰かを追い詰めていく。生まれたときから自分に意思があったなら、こんな醜い「自分」なんて容れ物は選ばなかった。自我なんていうものに、どうして途中で気付いてしまうんだろう。どうして途中から割って入ってきたこんな「自分」が、自分の主体なんだろう。感情、肉体、言葉、そんな、決して「自分」と完璧に一致するわけではないものたちが、「自分」の内側ではなく周囲に張り巡らされているだけのものたちが、どうしてこんなにも、ここぞとばかりに中心的役割であるはずの「自分」という人格を責め立てるんだろう。感情も肉体も言葉も自我も、そんなものさえなければもっと近づけたのに。君のために生まれてきた。そんな甘い呪文でもまだまだ足りない。君として生まれてきたかった。そんな、小さな刃を無数に持った嵐のような轟音の真ん中から、「心から 君に伝えたい」と叫ぶところでこの歌は絶頂を迎える。
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16:45 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
もうほんと、これ聴いて冷静でいられるとか信じられない | top | 八月六日はハローの日ですよー

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