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Running Horses Light

Since I Left You
/ The Avalanches

Avalanches-Since I Left YOu
会うときは取って置きのプレイリスト用意しなくっちゃ
 オーストラリア出身のサンプリング集団ジ・アヴァランチーズが本国では00年に発表した、現時点での唯一のアルバムとなるデビュー作。ボーカルを含むあらゆる音がサンプリングのみによって成り立っているという、DJシャドウを思わせるような緻密に作り込まれた珍しい一枚だ。3500にものぼるといわれるサンプリング・ソースの中にはマドンナやダフト・パンクからアイズレー・ブラザーズにセルジオ・メンデスまでの名前が挙がっており、もはや簡単なジャンル分けは不可能。あえて言うなら、誰かが擦り切れるほど再生した記憶、とでもいうようなとても個人的なプレイリストになるだろうか。そう、記憶。サンプリングとは、夢を見るということがそうであるように、記憶の再生・処理作業と言えなくもない。シンス・アイ・レフト・ユー。あなたと離ればなれになってからの、記憶。どこまでも続く海のようにノンストップで再現される、見事な和音として重ね合わされた膨大なサンプリングという記憶の波。冒頭のタイトル・トラックで何度も何度も繰り返される、たった一行の言葉がとても印象的だ。「あなたと離ればなれになってから、世界がこれまでとまったく違って見える」。どこかで聴き覚えのあるフレーズ、メロディ、リズムがたくさん隠された本作のサウンドは、まるでその文句だけをヒントにした暗号のようで、とてもロマンチックだ。あなたもきっとどこかで聴いたことがあるはず、それがわかるかしら、と。でも、そんな慣れ親しんだ数々の歌が、あなたと離ればなれになってからは、それまでとまったく違って聴こえる。あの歌も、その歌も、この歌も。サンプリングによって新たなデザインを手に入れたかつての歌が、まるでそんなふうにパフォーマンスされている。耳を澄まして、海の彼方の対岸から届く声を聞きたい。夢の中でさえ出会いたい。そんな思いが、あらゆる記憶を塗り替える。共通点などまったくないような膨大な歌が、たったひとつのプレイリストに集約される。あなたと離ればなれになってから、すべての歌が、わたしとあなたの歌に聴こえる。
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23:50 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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