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琥珀色の

I'm Caught Up (In A One Night Love Affair)
/ Inner Life

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永遠に匹敵する刹那の夜
 このブログでは何度も紹介している我らがジョセリン・ブラウン女史が70年代の終わりから80年代初頭にかけて在籍していたディスコ・プロジェクトであるインナー・ライフの、79年発表のデビュー盤。一般にはファースト・アルバムとして扱われている作品だが、収録内容はたったの五曲と少なく、実質的にはEPのような構成となっている。インディ・レーベルからの発表ということもあってか、パーカッションがチャカポコしている安っぽいサウンド・クリエイトは、例えば当時のディスコ・ブームを席巻していたロレッタ・ハロウェイのグラマラスな楽曲などと比べると、明らかに格が違うというか、インパクト負けしている。しかしそんなハンデを補って余りあるほど、タイトル曲が素晴らしい(もう一回言おう。本当に素晴らしい)。“モーメント・オブ・マイ・ライフ”や“サムバディ・エルスズ・ガイ”と並ぶ、彼女のディスコグラフィを代表する名曲中の名曲だろう。
 ナイトの登場を待ち焦がれたプリンセスは、その夢が叶わないことをもう知っている。出会った二人は似た者同士。とてもナイトとは呼べない、気の利いたスマイルひとつさえ上手にできない彼と、プリンセスになり損ねた彼女の、たった一夜のラヴ・アフェア。別れ方なんて気にしなくていい、言ったことはすべて忘れてしまって構わない、そんな密約の下に交わされる愛は、果たして真実の愛と成り得るだろうか。いまにも弦がはち切れてしまいそうな、ボロボロのストリングスの音色がとても切ない。そう、彼女はいまでも、かつて夢見た王子様とお姫様の物語が描かれた絵本を、シミだらけになって、ページの破れてしまいそうなその物語を、抱きしめている。そして、これ、やっぱりこれなんだ。この、ジョセリン・ブラウンの圧倒的なボーカリゼイション。曲が終盤に近づくにつれて、夢破れたことなんてすっかり忘れてしまったかのように、アドリブでのたうちまくる彼女のダイナミックな歌声。そんなお行儀の悪い大声でだいすきって叫んでいたら、そりゃあ可憐なお姫様にはなれやしないさ。でも、でもね。僕は男の子だから、嘘を吐くのはとても苦手だけど、それでもなんだか、この嘘だけは吐き通せそうな気がするんだ。そうやって愛に踊る君の姿は、僕の目にはまるでお姫様みたいに、とても綺麗に映る。
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