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You have to walk your way

今日彼女が実家に帰省する予定やったので小倉まで見送りに行って、買いましたよ。
YUKIの『Wave』。
YUKI-wave.jpg
率直な感想。おもしろくない。
既出の楽曲と新曲がそれぞれ固まって収録されてるからあんまりアルバムって感じがしなかった。
でもそれ以上にサウンドの構成は致命的。
少なくとも『PRISMIC』、『commune』の二作を聴きこなしてるリスナーにはそう思えてほしい。

長くなりそうなので「続き」を読むかどうかはまかせます・・・。


保守的な『commune』では例外的にその色彩は薄いけど『PRISMIC』、『joy』、そして今回の『Wave』の三作では共通してエレクトロニカが重要な要素になってる。
その三作の中でエレクトロニカを有効的に使えてるのは『PRISMIC』の一枚のみ。
「66db」や「Rainbow st.」を聴いてもらえば、それは十分わかってもらえると思う。
でも『joy』、『Wave』の二作では結果的に安いポップさを強調する媒体ぐらいにしか作用してない。
安い。YUKIの音楽は本当に安くなった。

『PRISMIC』は本当に素晴らしいアルバムやった。
ファンキーなロック・アンセムの「the end of shite」、陰鬱で刺々しいエレクトロニカの「66db」、激しいロック・ビートで極上のダンス・ミュージックを奏でる「Rainbow st.」、ベックの名盤『Odelay』を彷彿させるヒップ・ホップ的なアプローチも見せた「忘れる唄」、ピアノの栄えるYUKI随一の名曲「プリズム」、自己を省みるような「呪い」。
それぞれの指し示すものはバラバラでも『PRISMIC』という大きな道程の中でそれぞれが放つ彩色は刺激的で革新的でなにより高尚やった。
多分YUKIの中で最も高揚力のあるアルバム。一番感興的なアルバムやと思う。

さっき述べたように『commune』は非常に保守的なアルバム。
でも革新だけがアーティスト個人の音楽の可能性を広げる訳じゃない。
安心して身を任せられるような安定感は決して『PRISMIC』から大きく方向転換したその楽曲の質を低下させることにはならなかった。
『PRISMIC』以上に精神性の露出が激しい曲郡は圧倒的な説得力と共にYUKIの高尚な志向を明確に表していた。
革新性こそないけど、淡白なサウンドだからこそ成し得る一貫した崇高な精神性の表現。
この点では『PRISMIC』ですら足元にも及ばない。

YUKIの楽曲に陰りが見え始めたのは三作目の『joy』以降。
極度なポップさ。つまり高すぎる普遍性。
おそらく多くの大衆を最も早く惹き付けるであろうこの要素は楽曲から説得力を欠如させる危険性を必然的に持ち合わせている。
それまで品の高い音楽をやっていたアーティストがポップ化した途端に、以前からファンだった者が批判的になるのはこのため。
しかし「ハローグッバイ」に見られたブレイク・ビーツ的な要素は素直におもしろかったし、「スウィートセブンティーン」や「WAGON」などの爽快なギター・ロックは決して悪くなかった。
このアルバムは決定的な駄作だ。と言い切ってしまうつもりはない。
「悪くない」。これくらいの評価が妥当だと個人的には思う。
このアルバムの欠点は偏に過剰なまでの加工。
エレクトロミュージックへの解釈を履き違えたような安っぽい加工は大衆に楽曲のわかりやすさを提供し大きな普遍性を得たけど、代わりに彼女と他のアーティストとの差を埋める個性的な世界観をやや削り落とす結果となった。

『Wave』は『joy』のポップさに拍車をかけたような作品。
まだ聴き込んではいないので大胆なことは言えないけど、もう彼女の作品には『PRISMIC』や『commune』の持っていた高尚さや説得力は残り香すら感じられない。
『joy』と同じく高い普遍性を追求したような曲郡にも関わらず、『Wave』のアルバムとしての統一性は『joy』のそれを遥かに下回る。
この作品の明るさが彼女の今の心境を表しているのならそれは素晴らしいことやけど、ひとつの作品としては正直そこにおもしろさはない。
彼女の作品を通しての世界観はもはや凡人化していると思う。
「YUKIの新作」っていう意識があるからしばらくは聴き続けると思うけど、その認識が無くなった後にこの作品が自分に何を残してくれるのか。
正直言ってあんまり何も期待できない。
でも一見ポップそうに聴こえる「長い夢」と最新シングルの「ふがいないや」の二曲だけは、他の曲とは異質な名曲ってことがこのアルバム聴いて再認識できた。
これは主張しておきたい。


長くなってすいません。
結構今のYUKIを批判的に書いたけど、このアルバムは結構売れるんかなぁとか思ったりもします。
要は普遍性があるから。
でも一番変わらなくちゃいけないのはリスナー側やとか思ったりもしてしまう。
YUKIのソロになってからのキャリアに明らかに今不協和音が流れてることを理解しないと。
でも普遍性を持ってる以上この僕の意見は絶対的に少数派ですね。
音楽の解釈は個人の主観が左右するのは当たり前。
やっぱり音楽は難しい。
そう、再認識させてもらったこのアルバムにちょっとだけ感謝。


おまけ
YUKI-長い夢

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23:46 | 音楽 | comments (3) | trackbacks (0) | page top↑
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コメント

#
HI....I finally came back to Kokura!!
日本語が話せる事の幸せをかみしめてますw
キャンプはとってもタフなものだったけど、楽しかったじょ~^^
スピーチで1stプライズとったど~!!!
しえーも2ndとってたよ★
なんかうちが苦しんでいる間にやたら仲良くやってるみたいやな~♡その幸せわけてくれ・・・。w明後日はついに離国の日だよ!
お土産楽しみにしててね~^^
by: wakana | 2006/09/06 21:51 | URL [編集] | page top↑
#
凄いね、ボキャブラリー少ない私の言いたいと思ってる事をすべて外すことなく言ってくれて、嬉しいよ・・(誰?笑
私は今回ちょっと本気でYUKI離れを考えた。
合わなくなりすぎてしんどい。
大して期待してなかったけど、やっぱりショックが大きいわあ。
これから私はどうやって満足に音楽ライフを楽しんでいけばいいのか・・
私にとってYUKIは絶対的な存在やったし、
私が音楽に目覚めて軽音楽とかやったのもYUKIになりたかったからやし、
人生の中にYUKIは確実に大きく占めていたのに、
なんか、虚無感が押し寄せてきます。
私たちがわがままなのか?
大衆向けに作って欲しくない。
正直YUKIの良さがわかってないリスナーが溢れてるのに(joyの良さしかしらない人ね。1・2作目聴いた事ない人多いよね。
なんかYUKIを持ってかれた気分だ。
YUKIが向かったとも言えるんやけど。
返せー笑
あーぁ、つまらん。
シングルは凄いいいけどね。
でもアルバム収録の楽曲を聴いてると正直不安を隠せませぬ。
by: おっかぱガール | 2006/09/06 22:56 | URL [編集] | page top↑
#
>wakana
お帰り~!さっき学び舎終った後にたっちゃんと直矢に会ったで!!
てかまた1stプライズとったんや!おめでとう!!
やっぱwakanaもシエ~も英語強いなぁ!うらやましい・・・。
日本語しゃべれるようになったけど明後日からまた英語やね!笑
元気で帰ってきてなぁ~!
お土産期待してます。


>おっかぱガール
この拙い文章で納得してくれたなら嬉しいわ。笑
おっかぱガールがYUKIにどんだけ影響受けたかは俺なりにちゃんと理解してるつもりやで。
だからこそ俺も同じように思うんやけどね。
1・2作目を知らないリスナーはホンマに多いと思う。
あんなに素晴らしいアルバムを理解できないYUKIファンは同情に値するね。言い過ぎかもしれんけど。
多分そういう人は『joy』がYUKIの音ってイメージが最初にできてしまったから、むしろ1・2作目聴いたら退屈に思うんやろな。
YUKIを持っていかれた気分。まさにそれ!
YUKIが向かった。それも言えてる!
大衆に理解させるためにアーティスト側がアティテュード変えたらアカンと思うんよ。
だからそう思える人がYUKI離れしたらホンマにどんどん堕ちちゃう。
てか音楽に対してそこまで真剣に考えてる人自体があんまおらんわ。少なくとも俺の周りには、後にも先にも。
おっかぱガールは数少ないそうじゃない人やと思ってるから。
だからこそYUKI離れしてほしくないし、今の気持ちも持ち続けて欲しい。
by: おうてか | 2006/09/06 23:25 | URL [編集] | page top↑

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