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白状しなくちゃいけないことが、真実だとは限らないってこと!それくらいは、わかるよね?

Diana
/ Diana Ross

Diana ross-Diana
音楽は喋らないなんて誰が言った
 三人組女性ボーカル・グループ、シュープリームスの一員として一時代を築いたダイアナ・ロス。69年にグループを脱退して活動の場をソロに移行させてからもヒットを連発したが、そのほとんどは70年代前半に集中している。本作は80年に発表されたソロ通算十一作目(マーヴィン・ゲイとの連名作などを含む)となるアルバムで、彼女の全キャリアにおける最高傑作との誉れ高い有名な作品である。70年代後半における彼女の斜陽期を吹き飛ばすような強引なまでにフックの強いディスコ・サウンドは、彼女自身の強い希望により採用されたナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズという“おしゃれフリーク”でお馴染みのシックのコンビが全面的に制作にあたっている。商業的にも久々に大々的なヒットを記録した本アルバムからは、現在でも単なるディスコ・ミュージックの範疇に収まり切らない規模で愛され続けている彼女の代表曲“アップサイド・ダウン”が誕生している。ダイアナ・ロスの確かな歌唱力のみならず、生楽器の演奏がたまらなく心と身体を高揚させる、是非ともリマスター盤でのリスニングをお勧めしたい素晴らしい作品だ。どの楽曲も、シングル・リリースに十分堪え得る凄まじいクオリティを現在でも保持している。中でも圧巻中の圧巻はセカンド・シングルとしてリリースされ全米五位を記録した“アイム・カミング・アウト”。他のいかなる楽器を用いても手に届くとこのない禁断のメロディを掻き毟るナイル・ロジャースのカッティング・ギターと、それにかぶさるじれったく思わせぶりなドラムによる導入部が、“帰ってほしいの”や“セプテンバー”など本当に優れたディスコ・ミュージックだけが放つことのできる、いまからとんでもないことが始まるんじゃないだろうかという大事件の予感と興奮をどうしようもなく掻き立てる。そしてその眩しい舞台で披露される、彼女の一世一代のカミング・アウト。「新しいわたしを、世界中に見せつけてあげる」。ディスコ・ブームの熱狂に押され存在感を失われるソウル。享楽的なディスコと渾然一体になりつつあるファンク。そんな80年という時代にそれらすべての要素を大胆にもひとつの鍋にぶち込んだ本作は、もはやそれらが仲良く手と手を取り合った和解の場ですらない。最高のディスコ・ミュージックであり、最高のファンク・ミュージックであり、最高のソウル・ミュージックであるということ。本当に素晴らしいものとは、ただそこにあるだけで、あらゆる物事の本質を言外に語り始めてしまうものだ。「誰にもできないやり方で、新しいわたしを見せてあげる」。ダイアナ・ロスはその骨ばった細すぎる身体から、声高々と叫ぶ。何にだって、誰にだってなれる。どこにだって行ける。それこそが、人間の想像力の本質に限りなく近いところから発せられる、最も誇り高い願いではなかっただろうか。
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Your My #1 Dee Jay | top | 街では手榴弾が流行している。噂では君が僕に会いたがっている。

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