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街では手榴弾が流行している。噂では君が僕に会いたがっている。

One From The Heart
/ Jocelyn Brown

Jocelyn Brown-One From The Heart
心から言いたいことなんて多くてもひとつくらいしかない
 70年代から80年代初頭にかけて、多くの傑作コラボやパトリック・アダムスのダンス・プロジェクトで素晴らしい作品を残してきたにも関わらず、いまいち認知度も低く正当な評価を得られていない感が個人的にはあるジョセリン・ブラウン女史。是非ともこのブログから再評価への兆しを見出したい(せめてひとりかふたりくらいは)と思い立ち、先日は彼女がリード・ボーカルを務めたインナー・ライフの作品を紹介しましたが、今回は87年に発表された彼女の二作目となるソロ・オリジナル・アルバム。84年のソロ一作目はVINVY DREAMSというインディ・レーベルからの発表だったが、本作はワーナー・ミュージックからリリースされたメジャー作品。マドンナを成功に導いたジェリービーンを筆頭に、NY系ダンス・ミュージック界の猛者たちがガッチリとプロダクションを固めている。結果として、サウンドはインディ期よりも格段にシャープに洗練され、しっとりとした歌い上げ系のバラードなど曲調のバリエーションも豊富になり、これまでには見られなかった彼女の新たな魅力を引き出すことに成功した良作。彼女自身が作詞・作曲を手がけた楽曲が大好きな僕としては提供曲ばかりというのは少し心寂しいが、冒頭を飾る“エゴ・マニアック”で歌われる、自尊心の強い思い上がった男に"You found love in the mirror"と当て付ける作詞センスには舌を巻いた。低予算のインディ作品とは違いキレのいいサウンド・プロダクションにも細やかなセンスが光る。恵まれた環境で制作され、うまく時流に乗ったこのアルバムからは、前作からの名曲“サムバディ・エルスズ・ガイ”でも届かなかったUSダンス・チャート首位の“ラヴズ・ゴナ・ゲット・ユー”という楽曲が生まれている。しかし、プロデュースの問題なのか彼女の調子の問題なのかはわからないが(歌声には相変わらずの迫力があるからきっと前者だ)、彼女のボーカルまでもが、力強くも小奇麗に整頓されてしまったような印象が本作にはある。アルバムのトータリティではやはり劣るところがあるかもしれないが、僕には前作のチープな作りの方が趣味に合う。サビのような、ヤニのような、垢のような、誰かのそんな絶妙な愛着を、初めて聴いた時から連想させる。まるで、本数が少なくなってクシャクシャになったタバコのソフトケースみたいな安っぽい質感。だからこそ切なく、そして、彼女の大胆不敵な歌声が誰にも制御されずに大暴れする、とっても狂おしい作品だった。本作もかっこいいアルバムだし、ジャケット写真でもいい顔をしているが、もっと乱れた彼女がみたい、と聴き終わる度に思ってしまう。愛しい誰かと本気で出会おうとしたときの彼女のグルーヴはこんなもんじゃない。要するにソウルって、だいすきっていう、愛着のことなんでしょう。
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13:43 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
白状しなくちゃいけないことが、真実だとは限らないってこと!それくらいは、わかるよね? | top | ソウルって背中にあるからなかなか見えないんだろうね

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