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ラストダンジョンは、

Lisa Lisa & Cult Jam With Full Force
/ Lisa Lisa & Cult Jam With Full Force

Lisa lisa And The Cult jam with full force
ゆらゆら摩天楼
 R&Bパフォーマーでありプロデュース・チームでもあるフル・フォースとの共作という形で85年に発表されたリサ・リサ&カルト・ジャムのデビュー・アルバム。冒頭に収録された代表曲“アイ・ワンダー・イフ・アイ・テイク・ユー・ホーム”(カイリー姉さんやブラック・アイド・ピーズが使ってる歌だよ)を聴いたときに、いや、タイトルを初めて見た瞬間に、やられたと思った。今夜、あなたを連れて帰ることができるかしら。ある意味ではこれこそが、夜を彩るポップ・ミュージックの永遠のテーマだろう。ジャブのような軽すぎる打ち込み、ステッカーみたいな安っぽい色合いを感じさせるシンセの音は、まさにプラスチック・エイジ=80年代を象徴するような絶妙なバランスで鳴っている。しかし独特の雰囲気を持っている歌だ。冷たい、醒めている、というのとも違う。なんだろうかこれは、と思っていたら、同様の雰囲気を引き継いだ二曲目“ユール・ネヴァー・チェンジ”の中で、「あなたが変わらないから、わたしは幸せになれないのよ」と歌われていて、よくわからなかったものの端っこをようやく掴めたような気分になった。不機嫌なのだ。やきもきしてる。このままひとりで帰れば必ず後悔する。でもうまく誘えるかしら。怖い。いっそ連れて帰ってくれればいいのに……。そんな愛らしいことを思いながらも、表面ではプラスチックみたいに無愛想に、不機嫌に振舞ってみせる。態度や表情に表れるはずの感情をあえて殺したようなこの歌のクールなサウンド・デザインがとても好きだ。タイトルは"take you home"だが、後ろで囁くように歌われる、"take me home"という控え目なコーラス。そして、不規則に、不恰好にビートを刻む打ち込みの音だけが、まるで乱れる心臓の鼓動みたいに、ただひとつ、内なる高まりを伝える。どきどき、どきどき。握れそうで握れない、その手。どきどき、どきどき。揺れる心が、身体を惑わせる。心と身体が、なかなかひとつにならない。一致しない。でも、あなたがそばにいると、いつも決まって。どきどき、どきどき。心はもう、奪われているというのに。
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15:46 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

初めての授業でいきなり河村隆一の歌を歌わせようとする音楽の先生が中学にいた。とっても会いたい。

gravity
/ LUNA SEA

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堕ちた天使
 透明。流れ、衝突し、分裂し、そして溶け合うもの。それが、透明という形なきものの性質。水。空気。そんな透明は例外なく、空を透かすことができる。空を映すことができる。雨。涙。地上に落ちてくる、そんな小さな空。透明とは、空の擬態のことを言うのかもしれない。そして、確固とした形を持つ不透明なものたちは、空に長くはいられない。どうしてこの歌のタイトルが「重力」という意味を持つこの言葉でなくてはならなかったのか、初めて聴いた時にはわからなかった。でもそうだった。僕たちは、地上に定着することを望んだ形を持っている。流れても必ず止まる。衝突すれば固い。分裂すれば痛い。溶け合おうとしても、もどかしい。抱き合うことなんて、知らなかったから。それを求めた僕たちには、どうしてもこの形が必要だった。でもどうしても思い出せない。自分が生まれた瞬間(決して、呼吸を始めた瞬間、細胞が活動を始めた瞬間という意味ではない)。どうしても見えない。感情。意識。自我。それらが生まれた瞬間。それはもしかして、透明と呼んでしまってもいいもの? そんな目に見えない透明から始まったのだとしたら、もしかして僕たちは、最初は空の上にいた? だとしたら、いったいいつからだろう。雨を避けながらでしか生きていけないような、肉体というこんなもどかしいだけの形を必要とし始めたのは。しばらく前に書いた“I for You”にしてもそうだけど、LUNA SEAの言葉はどうしてこんなにも不自由そうに聴こえるんだろう。言葉が必ずしも心と一致しないことを思い出す。心。それは目には見えない、透明なもの。空にあるべきもの。重力に屈した地上の言葉で、それを完璧に言い表すことはできない。初めて聴いたときからすきだった。イントロからして素晴らしい。歪んだ轟音に包囲されたまま、どこにも行けずに彷徨うようなギターの音が、とても綺麗だ。ちゃんと聴くまでは、河村隆一なんて、フン!と思っていたけれど、「このまま 切り裂いて 抱きしめて ずっと」というリリックにも素直すぎるくらい感動してしまった。切り裂かれたままでしか、不自由な形を持ったままでしか、抱き合うことのできなかった孤独が鳴っている。
23:43 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

おかわりクン

Nobody Else
/ Take That

Take-that-nobody-else.jpg
セックスを感じるアイドル
 いまとなっては照れ臭い話だが、バックストリート・ボーイズ、イン・シンク、ウエストライフ、ボーイゾーン、5iveなど、五人組の男性ボーカル・グループに異様に夢中になっていた頃がある。5iveなんかはどこかマッチョイズムなところがあったような気がするし、アイドルと聞いて連想する典型的なタイプのグループではない人たちもいたけれど、僕にはみんな間違いなくアイドルだった。なぜって、そういう人たちの歌うラヴ・ソングがたまらなくすきだったから。このブログでも以前に紹介したことのあるウエストライフの“マイ・ラヴ”が個人的には頂点なのだけど、そういう、タイトルからして悪い冗談にしか思えないような、甘っちょろいラヴ・ソングがだいすきだった。五人組の男性ボーカル・グループって、みんなそういう歌を歌うんだ。ワイルドなイメージで売ってる人たちでさえ、自分たちのキャラを忘れてるとしか思えないような、男の人の持ってる野蛮な欲望をわざと見えなくしたような、ロマンチックな綺麗事のラヴ・ソングを歌いたがる。アイドルとは、つまりはそういうものだ。笑顔で隠してくれてありがとう。嘘でだましてくれてありがとう。何も卑屈になっているわけじゃない。プレゼントは、綺麗な包装紙で包みたいし、凝ったサプライズを用意して渡したい。そんな演出と同じようなものだ。とっても優しい証拠だと思う。
 これまた恥ずかしい話だが、ビージーズのカバーなんかは昔から聴いていたし、ロビーのソロ作品にも前からすきなものがいくつかあるけれど、五人組ボーイズ・グループの先駆者とも言えるテイク・ザットのオリジナル・アルバムを聴いたのは、今年になってからのことだった。本作は、95年に発表された彼らのサード・アルバムで、93年のセカンド・アルバム『エヴリシング・チェンジズ』と共に彼らの初期時代を代表する一枚。ほとんどの楽曲でセンターを務めるゲイリーを中心にメンバー全員が曲作りに参加する体制があるせいか、テイク・ザットにはアイドル特有の作られた感よりも楽曲と肉体とが見事に繋がるグルーヴ感の方が上回っている印象がある。“シュア”や“バック・フォー・グッド”など、最盛期を象徴する愛の歌を冒頭に収録し、ラストをしっかりバラードで締めくくっている本作だが、そんないかにもアイドルなロマンチック大風呂敷の破れ目から、隠そうとしていたはずの欲望がめらめらと色香を放つ。うずくようなたまらないベースラインと「どんな男の子でも君みたいな女の子がだいすきさ、どんな女の子でも僕みたいな男の子がだいすきさ」なんて言っちゃうリリックが印象的な“エヴリ・ガイ”とかもう最強。歌ってること意味プーだけど、めちゃくちゃセクシー。コーヒーでも紅茶でも本物は少し苦い、って教訓を思い出した。
14:46 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

YUKIの新作聴く合間に、気まぐれに聴いてしまった

Straight From The Heart
/ Patrice Rushen

patrice Rushen-Forget Me Nots
思い出すために忘れないで
 元々はフュージョン系アーティストとして74年にデビューを飾ったパトリース・ラッシェン。70年代後半から徐々にR&Bに接近し始めた彼女がついに結果を出してきたのがこの82年作だ。なんといっても代表曲“フォーゲット・ミー・ノッツ”が素晴らしい(ジョージ・マイケルが名曲“ファストラヴ”の中でサンプリングしている)。80年代に発表された多くのポップ・ソングの中でも、これほどまでにクールなプロポーションを完成させた楽曲は珍しいだろう(PVもめちゃくちゃかっこいい、最初の二十秒だけ……)。シンセの音色は控え目に、ハンドクラップとダンサブルなベースラインが楽曲を牽引する、決して派手ではないが直に下半身を刺激するような(踊りださずにいられない、体感的、という意味だけども)強烈なグルーヴ感のある歌だ。サックスによるソロ・パートの色気も凄まじい。キーボーディストでもある自身も多くの楽曲で演奏に参加し、バックには西海岸系のミュージシャンを揃え、ディスコやファンクにボサノヴァまで、一枚の中で幅広くパフォーマンスしている。そんな中でも“フォーゲット・ミー・ノッツ”はやはり別格の存在感を放っているが、多くのヒップホップ/R&Bシンガーによるサンプリング使用で後に再評価されることになる“リマインド・ミー”や切れのいいギターとホーンの音色が印象的なファンク・ナンバー“アイ・ワズ・タイアード・オブ・ビーイング・アローン”、ボサノヴァのフレーヴァーを感じさせるフュージョン系のインスト曲“ナンバー・ワン”など、注目すべき楽曲は多い。ところで、英語で"Forget Me Not"と言えばワスレナグサのことでもあるが、人はしばしば花の開花に季節の訪れを託す。咲いた花を見ることで、今という季節を思い出す。気付けばもうこんな季節だね、と。そんな風に、気まぐれに、わたしのことを思い出さないで、ということかもしれない。
19:36 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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