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しょーがないじゃん

Different Gear, Still Speeding
/ Beady Eye

Beady Eye-Different
だってだいすきなんだもん
 先行シングルとして発表された“ザ・ローラー”を聴いて、こんなんだったらオアシスでもできんじゃん、と未練たらたらに思っていた自分が恥ずかしい。こんなアルバム、ノエル独裁政権のオアシスじゃ絶対に作れない。すごい、すごいよリアム。ノエルがオアシスを難しいバンドにしようとしてたせいで、ずっと忘れてた。そうだ、僕たちがリアムに望んでたのは、本当はこれだったんじゃないか。マナーもクソもあったもんじゃねえ。パクリって言われても仕方ない。もろにビートルズ。もろにストーンズ。もろにブリティッシュ・ロック!“ビートルズ・アンド・ストーンズ”って、あんたそのタイトル・センスどんなだよ!でも、そういうところがすきなんだ、たまらなく。世界中の名立たるシンガーに罵声浴びせても、ジョン・レノンの前ではいつだって深々と頭を下げる。どんなビッグマウス叩いても、その後にはすぐに「まだビートルズには及ばねぇ」って遠くを見てる。我らがリアム・ギャラガー二度目のデビュー・アルバムとなった本作は、「今夜、俺はロックンロール・スター」というたった一夜のみロックンロール・スターになることを許された、ただのロック・オタクの見果てぬ夢から始まったオアシスの『ディフィニトリー・メイビー』とまったく同じ場所から始まっている。「すきだから」。それ以外には根拠も必然性もないような、憧れのロケンロー。アルバムの最後に収録された“モーニング・サン”の前後に、波の音が録音されてる。この音、オアシスでも聴いたことがあるよね。『モーニング・グローリー』にも、『ディグ・アウト・ユア・ソウル』にも入ってた。バンドは変わっても、ずっと同じ景色にリアムは佇んだままだという象徴のような気がして、感動した。リアムは昔からこの波打ち際で、海の向こうのビートルズを見つめてる。
 ところで、やはりロック・スターらしく様々な名言(暴言?)を残してきたリアムだけど、その中でも僕が特にかっこよかったと思うのはこれ。「ビーチ・ボーイズなんかのどこがいいんだよ。あんなの、レコード屋でビートルズの隣に並んでるから売れるだけじゃねえか」。ビーディ・アイ(=きらきらした瞳)とはこれまたクソファッキンロマンチストなリアムらしいっちゃらしい名前だけど、これってもしかして……。「俺様のアルバムは七十年後にもレコード屋に置いてあるはずだぜ」とかも言ってたけど、七十年後には、ビートルズの隣にビーディ・アイが並んでいますように(でもリアム、それまでにビースティ・ボーイズを全力でつぶせ!やつらは手強いぞ!)。

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17:53 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

大人は空の飛び方を内緒にしてる

コクリコ坂から
コクリコ坂から
こどもは空の子
 宮崎吾朗が監督を務めた、ジブリ映画の最新作。ジブリ映画としては異例の酷評を受けた『ゲド戦記』には、過去のジブリ作品の単なるパスティーシュじゃないかという既視感をどうしても拭えない印象があったが、本作で描き出される景色はどれも、決してファンタジーではないのに誰もが胸に秘めているはずの幻想的な美しさを思い出させる、そういうきちんと心に寄り添ったような作風に仕上がっていた。だからこそキャラクターは皆その中で、活き活きと個性的に動き回ることができる。派手な展開はなくとも、そんなキャラクターの心の動きがそのまま呼吸とリズムを作り、自然と物語を形成していく。そして時に、企みは明確に。ちょっとした冗談や、的確な音楽が、観ているこちら側の心を心地よく操ってくれる。とても面白い映画だったと思う。
 瞳の中に落ちてきた、少年のその勇敢な姿に、ハッとさせられた。空から落ちてくるものは、いつだって綺麗だ。雨。透き通るその雫には、いつも空が映っている。地上に降り注ぐ、空の欠片。上から下へ。それが、地上という宇宙の底で生きることを決めた僕たちのルール。手を離せば、たちまち落下する。それが重力というもの。上から下へ。一方向へと働く力。物語の中で大きな問題となってくる、血脈だってそうかもしれない。親から子へ。その順序は変えられない。上から下へ。一方向へ、垂直に働く力。でもそれがほんの少し傾くだけで、垂直は坂道になって、今度は、下から上にのぼっていくことだってできる。上り坂を見ると、無性に駆け上がりたくなる。下り坂は、自分でも制御できないスピードで駆け下りる。海が青いのはきっと空の色が反射しているからだと信じていた、そんな子ども。大人に近づけば近づくほど全速力で走る機会が減るのは、それだけ色々な重力が増えるから、かもしれない。毎日目印の旗を掲げ続けた少女は、頭上のそれを揺らす自由な風にこそ、憧れたのではないだろうか。そうすれば、ただ待つほかない誰かの胸に、すぐにでも飛んでいくことができるような気がするから。しかしその願いが叶わずとも、懸命に上を向いて歩き続けようとする彼女のその瞳は、ついさっき雲の上から落ちてきた小さな空のようにきっと、とても綺麗なはずだ。
14:51 | 映画 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

Running Horses Light

Since I Left You
/ The Avalanches

Avalanches-Since I Left YOu
会うときは取って置きのプレイリスト用意しなくっちゃ
 オーストラリア出身のサンプリング集団ジ・アヴァランチーズが本国では00年に発表した、現時点での唯一のアルバムとなるデビュー作。ボーカルを含むあらゆる音がサンプリングのみによって成り立っているという、DJシャドウを思わせるような緻密に作り込まれた珍しい一枚だ。3500にものぼるといわれるサンプリング・ソースの中にはマドンナやダフト・パンクからアイズレー・ブラザーズにセルジオ・メンデスまでの名前が挙がっており、もはや簡単なジャンル分けは不可能。あえて言うなら、誰かが擦り切れるほど再生した記憶、とでもいうようなとても個人的なプレイリストになるだろうか。そう、記憶。サンプリングとは、夢を見るということがそうであるように、記憶の再生・処理作業と言えなくもない。シンス・アイ・レフト・ユー。あなたと離ればなれになってからの、記憶。どこまでも続く海のようにノンストップで再現される、見事な和音として重ね合わされた膨大なサンプリングという記憶の波。冒頭のタイトル・トラックで何度も何度も繰り返される、たった一行の言葉がとても印象的だ。「あなたと離ればなれになってから、世界がこれまでとまったく違って見える」。どこかで聴き覚えのあるフレーズ、メロディ、リズムがたくさん隠された本作のサウンドは、まるでその文句だけをヒントにした暗号のようで、とてもロマンチックだ。あなたもきっとどこかで聴いたことがあるはず、それがわかるかしら、と。でも、そんな慣れ親しんだ数々の歌が、あなたと離ればなれになってからは、それまでとまったく違って聴こえる。あの歌も、その歌も、この歌も。サンプリングによって新たなデザインを手に入れたかつての歌が、まるでそんなふうにパフォーマンスされている。耳を澄まして、海の彼方の対岸から届く声を聞きたい。夢の中でさえ出会いたい。そんな思いが、あらゆる記憶を塗り替える。共通点などまったくないような膨大な歌が、たったひとつのプレイリストに集約される。あなたと離ればなれになってから、すべての歌が、わたしとあなたの歌に聴こえる。
23:50 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑

ついでにどこからどう見てもイケメンになりたい

Angles
/ The Strokes

The Strokes-Angles
どこから見ても
 一曲目の“マチュ・ピチュ”からいきなりジュリアンが人を食ったような変な声で歌い出すもんだからたまげた。五年前(!)の前作ではこれぞロックンロールとでも言いたくなるようなクールネスと、それを装ってもどうしようもなく滾る炎のような素晴らしいボーカルを披露していただけに(“アイズ・オブ・ザ・ワールド”めっちゃかっこいいよね)、なにこのヘラヘラした声、間違えて別のバンドのCD買った?と思わず名前を確認してしまった。が、サビの訪れと共に確信。こすれ合う琥珀のようなツイン・ギターの音、クセになるリズム感、ジュリアンの魅力的なガナリ声。こう鳴らそうとして、的確にこう鳴らすことに成功している。間違いない、ストロークスだ。全編通して聴いてみると、他にもわざとこれまでのストロークスを外してくるようなところが随所にあって、面白い。“ゲームズ”なんてどこのダンス・ミュージックかと思ったし、“メタボリズム”なんてもうミューズのメロディじゃないか。通算四作目となる本作、どうやらこれまでジュリアンがほとんどひとりで賄っていたソングライティングをメンバー全員で共有するスタイルで作られたらしく、「様々なアングル」と題されたアルバム・タイトルもそれに由来しているようだ。その名の通り、一枚のアルバムで多種多様な楽曲が聴ける内容になっている。でもどうやらファンからのリアクションはいまいち芳しくないようだ。ストロークスほど過去に大きな呪縛を持ったバンドは他にいないだろう。本作制作に関しても、批評やプライドやセールスなど様々な観点を、メンバーたちは自然と意識したはずだ。その結果、全員が揃って焦点を合わせた脱ストロークス。まったく新しいストロークス。それなのに、どこからどう見ても最後にはストロークスにしか見えない。それはやっぱり、流石だなぁと僕なんかは唸ってしまうのだけど、違うの?
 初めてこのアルバムをCDプレイヤーに入れて聴き始めたときから、ずっと最後の曲が気になって仕方がなかった。タイトルがとても素敵だったから。“ライフ・イズ・シンプル・イン・ザ・ムーンライト”。「すき」って言われたら、それこそ月明かりに照らされたみたいに単純に、幸せになってしまうよ。それなのに、どうしてこんなにも孤独や幻滅までが眩しいの。本当は、どこからどう見ても、愛なのに。
19:14 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑
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